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授業の概要(ねらい) |
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電気技術や電子技術は、あらゆる技術分野において利用されており、理工系学生はすべて、電気・電子工学の基本を理解しておく必要があります。理解不足の場合は、大学における種々の実験や専門科目の理解が困難となり、卒業後は技術系の業務遂行に支障をもたらす可能性が大きくなります。 この授業のねらいは、電気・電子工学の基本の理解です。
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2. |
授業の到達目標 |
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電気を扱う上で必要となる知識--電圧,電流,電流の磁気作用,電磁誘導,など--を、物理現象に基づいて身につける。 電気回路素子(抵抗、コンデンサ、コイル)の働きや直流・交流回路の原理を理解し,簡単な回路で各種電気量(電圧、電流、インピーダンス)を計算できる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業では、ほぼ毎回問題を出し、受講者はその答案の提出が必要です。授業への質問や要望があれば,答案とともに出してください。問題の解答や質問への答は、次の授業で説明するとともに、受講者の反応や理解度を把握して、授業を進めます。 成績評価では期末試験を80%、授業中に出した問題の答案内容を20%として評価します。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書:加藤昭英(著)「航空工学講座[9] 航空電子・電気の基礎(Avionics Basic)」(社)日本航空技術協会 (2年次の「航空宇宙電気・電子工学」でも同じ教科書を用いる予定)
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5. |
準備学修の内容 |
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電気回路や電子回路において、電圧・電流などの相互の関係やこれらの時間的変化を表わすには、微分・積分・三角関数・複素数などの基本を理解していることが必要であり、理解不十分な場合はこれらの分野を事前に勉強しておいてください。 授業ではほぼ毎回、復習に役立つ問題を出すので、その答案を必ず提出してください。 また、次回の授業予定を知らせるので、次回授業までに教科書の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べて、授業に臨んでください。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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本授業内容は今後の実験や他の専門科目を理解するのに必要なので、航空宇宙工学科の学生は極力履修してください。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
国際単位系,静電気と静電誘導, |
【第2回】 |
電荷・電圧・電界の概念と相互関係.電流・電気抵抗(R)の概念,オームの法則, |
【第3回】 |
合成抵抗の計算法(直列接続と並列接続),電力と電力量, |
【第4回】 |
ジュールの法則,キルヒホッフのの電流則と電圧則,直流回路網の電圧・電流の計算法 |
【第5回】 |
静磁気と磁荷・磁界・磁力線・磁束・磁束密度,電流による磁界と右ねじの法則, |
【第6回】 |
磁界の中の電流の受ける力,電磁誘導と起電力,自己インダクタンスと相互インダクタンス |
【第7回】 |
交流の定義,正弦波交流の表現式,交流の振幅・周期・周波数・角周波数・位相 |
【第8回】 |
交流の実効値の定義と求め方,複素数と複素平面,ベクトル図 |
【第9回】 |
インピータンスの定義,L(インダクタンス)とC(キャパシタンス)における電圧と電流の関係と表現式 |
【第10回】 |
R,L,Cを含む回路のインピーダンスと,電圧・電流の求め方(1) |
【第11回】 |
同上(2) |
【第12回】 |
交流の電力(有効電力,無効電力,力率), |
【第13回】 |
直列共振回路・並列共振回路の原理と特性 |
【第14回】 |
変圧器,三相交流,RLC回路に直流と交流の両方が加わる場合の考え方 |
【第15回】 |
テスト,まとめ:授業内容をまとめた解説と期末試験 |
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