Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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システム工学2(System Engineering2) 平本 隆
3年 後期 専門科目選択 2単位
【航空・後】 17-1-0317-3035

1.
授業の概要(ねらい)

信頼性工学の基礎となる信頼性の尺度や故障モデルについて理解し、統計学に基づく信頼性データの解析と予測、設計において検討するFMEA、FTAといった分析手法を学びます、さらに、それらの航空・宇宙分野での応用状況を紹介します。

2.
授業の到達目標

工学の基礎の一つとして、ぜひ身につけておかねばならない信頼性工学の基本的な考え方を理解し、統計手法や確率紙を使った信頼性データの解析手法、製品開発時に用いられる信頼性設計技術手法のあらましを修得することを目標とします。具体的には、以下の通りです。
①信頼性の機械設計における意義を理解すること
②信頼性の評価の考え方を理解すること
③信頼性データを使った統計的解析手法を理解し、使えること
④製品設計時の信頼性設計で提供する設計手法を理解し、使えること

3.
成績評価の方法および基準

定期試験の結果により評価します。
試験の内容は、適宜実施する課題のレベルを基本とします。

4.
教科書・参考書

講義資料は基本的に講義ごとに配布します。
参考書として、次のものを推奨します。
 真壁肇編「新版 信頼性工学入門」(日本規格協会)
 田中健次著「入門 信頼性」(日科技連)

5.
準備学修の内容

講義資料や提示資料をLMSに掲載しますので、それを利用して予復習をしてください。特に専門用語の定義、意味等はよく理解しておいてください。
また、適宜、授業終了時に重要事項に関する課題を出題するので、基本的に次の授業までに回答作成、提出することを課します。

6.
その他履修上の注意事項

講義の中で確率・統計を使った演習を行います。その際、科学計算用関数電卓が必要になります。特に、指数関数や対数関数を使います。

7.
各回の授業内容
【第1回】
システム工学と信頼性工学:システム工学と信頼性工学の関係、信頼性工学の役割について学ぶ
【第2回】
信頼性と安全性(1):信頼性を表す尺度(信頼度、MTBF、MTTF、故障率など)について学ぶ
【第3回】
信頼性と安全性(2):保全性と保全度、広義の信頼性の尺度であるアベイラビリティについて学ぶ
【第4回】
システムの信頼度と高信頼化:直列系、並列系をベースとしたシステム構造と信頼度評価について学ぶ
【第5回】
確率と統計学の基礎:信頼性の評価、分析に必要な数学的基礎を理解する
【第6回】
信頼性工学の基本関数:確率分布関数と信頼度関数について学ぶ
【第7回】
寿命分布と故障率:信頼性データによる寿命分布、ヒストグラム、故障率、信頼度の推定について学ぶ
【第8回】
指数分布と統計的手法:MTBFや寿命分布の推定・検定などに用いる指数分布に対する統計的手法について学ぶ
【第9回】
ワイブル分布と統計的手法:材料強度の分布、機器や部品の寿命分布によくあてはまるワイブル分布を利用した解析手法を学ぶ
【第10回】
故障現象と故障解析:故障現象を解析するための故障モデルと故障解析の手順について学ぶ
【第11回】
FMEA:信頼性管理、信頼性設計に用いられる代表的手法であるFMEAについて学ぶ
【第12回】
FTA:第11回に引き続き、FTAの手法について学ぶ
【第13回】
信頼性試験:製品を市場に出す前に信頼性を確認するために実施する抜取試験や加速試験について学ぶ
【第14回】
信頼性設計:信頼性実現のための設計、使用中に故障しない製品を設計する手法について学ぶ
【第15回】
航空宇宙分野における信頼性工学の特徴と適用:航空機やエンジンの整備を題材に航空機運航における信頼性工学の適用について理解する