Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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ウイルス学(Virology) 梶谷 正行
2年 後期 専門科目選択 2単位
【バイオ・後】 17-1-0382-2019

1.
授業の概要(ねらい)

 前半は、ウイルスという病原微生物の基本生物像を、分子生物学的な視点から解説する総論的な内容とする。後半は、現在注目されているウイルス種(あるいはウイルス群)を毎回一つずつ取り上げ、それらが持つ種々の特徴などを紹介し、講義を通じてそのウイルスだけでなくウイルス全般についての基礎的事項を再確認してもらうスタイルをとる。また、学生自らがウイルスについて調査をし、その成果を発表するグループ学習を通じて、ウイルスの理解を深めてもらう。
 なお、「予防と治療」と「発がんウイルス」の回(後述の「7.各回の授業内容」参照)には、学外講師を招聘し、より医学的な視点からの話題も提供していただく。

2.
授業の到達目標

 ウイルスという病原微生物の基本生物像を、分子生物学的な視点から理解し、他者に説明できるようになることを目指す。

3.
成績評価の方法および基準

 授業目標の達成度を評価するために、学期末に筆記試験を実施する。また、講義と並行して、ウイルスに対する理解を自習で深めてもらうために、課題レポートとグループ学習を課す。最終の成績評価は、試験の成績を65点分相当、平常点(レポートとグループ学習)を35点分相当とし、合算して評価する。なお、追試験は必要に応じて実施するが、再試験は実施しない。

4.
教科書・参考書

(1)教材:教科書は使用しない。毎回、講義内容のポイントのメモおよび主要な図表を掲載した独自のプリント教材を配付し、これを基に講義を進める。
(2)参考書・副読本として、ここでは下記の2冊を紹介しておく。
   武村政春(著)「新しいウイルス入門」講談社ブルーバックス
   アルバーツ他(著)中村・松原(監訳)「エッセンシャル細胞生物学(第3版)」南江堂
         (他の先生が担当される分子生物学系科目でも、良い参考書となる。)
   その他の参考書類は、初回の授業(ガイダンス)で紹介する。

5.
準備学修の内容

(1)ウイルス学を学ぶためには、分子遺伝学や生化学、免疫学などかなり広範囲な分野の基礎知識を必要とする。受講前の夏休み期間中に、これらの分野の復習をしておくこと。
(2)最近のニュースで取り上げられたウイルスを、1班3〜4人のグループ学習で調査してもらい、その成果をスライド発表してもらう。このため、新聞などをよく読み、書籍やインターネットなどを利用して調査をしておいてほしい。(グループ学習の実施要項は、講義開始前だが、夏季休業に入る前にアナウンスする予定。)
(3)学生によるスライド発表にも取り組む。教科書・参考書などに掲載されている図や表がどのようにまとめられているのか、プレゼンテーションという視点からも注目しておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

(1)初回の授業で、より詳しい授業計画や履修上の注意等を説明する。履修希望者は必ず出席し、その際に配付する「グループ学習」のガイダンス資料を受け取ること。
(2)理科の教員免許取得を希望している学生は、必修指定科目ではないが、将来あなた自身が教壇に立った時の基礎知識として、必修に準じて履修することを強く勧める。
(3)独自のプリントを教材にしているので、毎回出席することが重要である。なお、プリントを配付した分、講義時間内の板書事項は少ないことを、あらかじめお断りしておく。
(4)グループ学習に要する時間は講義時間内にもいくらかは設定するが、原則として講義時間外の「自習」で取り組むこと。
(5)当科目は生物としてのウイルス学である。コンピュータ・ウイルスは取り扱わない。

7.
各回の授業内容
【第1回】
ウイルス学序論
【第2回】
ウイルスと微生物
【第3回】
ウイルスの遺伝子
【第4回】
感染と増殖
【第5回】
予防と治療
【第6回】
AIDSとHIV(その1:HIVについて)
【第7回】
AIDSとHIV(その2:AIDS抗体検査について)
【第8回】
インフルエンザウイルス(その1:ウイルスについて)
【第9回】
インフルエンザウイルス(その2:感染爆発のケーススタディ)
【第10回】
発がんウイルス
【第11回】
天然痘ウイルス
【第12回】
新興・再興ウイルス
【第13回】
グループ学習成果発表会(その1:前半10班程度を予定)
【第14回】
グループ学習成果発表会(その2:後半10班程度を予定)
【第15回】
まとめと定期試験