Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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電子回路(Electronic Circuits) 小林 靖之
2年 後期 専門基礎科目選必 2単位
【情電・後】 17-1-0462-1978

1.
授業の概要(ねらい)

電子機器を構成するアナログ電子回路について基礎的かつ重要な事項を理解すれば様々な応用に対応できます。そこで、アナログ電子回路の理解に欠かせない基本的な増幅回路と等価回路の概念について講義した上で、様々な用途に対応するアナログ回路について解説します。
講義とともに随時課題レポートによる復習を行ない、アナログ回路の理解を深めてもらいます。

2.
授業の到達目標

情報電子工学科のディプロマポリシーのうち、エレクトロニクス技術者が習熟すべきハードウェアの基礎知識を身につけることを目標とします。具体的には、電子機器にとって重要なアナログ電子回路システムの基礎的かつ重要な事項の習得を目標とします。

3.
成績評価の方法および基準

出席率2/3 以上と、課題レポートをすべて提出することの2条件を満たした場合に、
中間試験と定期試験、課題レポート(40% : 40% : 20%)
で評価します。
上記2条件を満たさない場合は定期試験・再試験両方の受験資格を失います。
課題レポートの評価において、各レポートの〆切遅延に対し減点します。

4.
教科書・参考書

分野ごとに良い教科書がありますが、
教科書は、家村道雄(監修)「入門電子回路アナログ編」オーム社 ISBN:4-274-20317-4 とします。
LMSにて講義スライドや資料等を公開します

5.
準備学修の内容

講義前には教科書の講義予定部分を通読して疑問点を洗い出してください。講義後には、講義中に提示したスライドや課題レポートを復習して理解を深めて下さい。特に課題レポートを指定された〆切りまでに必ず提出してください。課題レポートは本科目の実施学期内に速やかに添削・講評されます。課題レポートの解答が著しく悪い場合には修正を命じますので、必ず修正した上で再提出してください。

6.
その他履修上の注意事項

電気回路の講義を履修していることが大変望ましいです。
必要に応じて 多めに板書しますので、承知の上で頑張って授業を受けて下さい。
エレクトロニクス基礎実験やエレクトロニクス実験の受講を考えている学生は、本講義を履修しておいて下さい。
進捗に応じて講義内容を適宜変更する場合があります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
イントロダクション・各種半導体デバイス(1)pn接合とダイオード:アナログ電子回路に用いる半導体デバイスの基礎と基礎的なデバイスであるダイオードを解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第2回】
各種半導体デバイス(2)その他・バイポーラトランジスタとは(1):増幅に用いるトランジスタを概説した後、本科目の中心であるバイポーラトランジスタの構造や種類、入力・出力特性について解説します。特にバイポーラトランジスタは電流を増幅するデバイスとして理解してください。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください
【第3回】
増幅回路の各種量・バイポーラトランジスタとは(2):増幅度やデシベル(dB)の概念を解説後、バイポーラトランジスタでの増幅後の出力回路と作図法による解析法を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第4回】
トランジスタ増幅回路のバイアス(1):バイポーラトランジスタ増幅回路で重要なバイアス回路の必要条件と基本的な固定バイアス回路を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第5回】
トランジスタ増幅回路のバイアス(2):固定バイアス回路におけるバイアス条件変動の問題に引き続き、バイアス条件変動を解決した自己バイアス回路と電流帰還バイアス回路を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第6回】
トランジスタ増幅回路の小信号等価回路(1):トランジスタ増幅回路において直流成分と交流成分を分離する方法と固定バイアス・電流帰還バイアス回路での適用例を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第7回】
トランジスタ増幅回路の小信号等価回路(2):トランジスタをhパラメータによる小信号交流等価回路で扱うモデルを解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第8回】
トランジスタ増幅回路の小信号等価回路(3)・高周波増幅回路:定バイアス・電流帰還バイアス回路において小信号交流等価回路を適用する方法と入力・出力インピーダンスの概念を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第9回】
まとめと中間試験:これまでの学修成果の評価のため中間試験を行います。試験前に教科書と課題レポート等の十分な復習を行なってください。試験後は理解不足の単元を復習してください。
【第10回】
演算増幅器(1):演算増幅器(オペアンプ)の概要と単体の機能、そしてオペアンプの基本的回路である反転増幅器を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第11回】
演算増幅器(2):オペアンプの基本的回路である非反転増幅器、ボルテージフォロワ、加算器、積分器・微分器等を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第12回】
帰還増幅回路・発振回路(1):帰還増幅器として、負帰還増幅器と発振回路の原理、さらに発振回路の例としてRC発振回路を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第13回】
発振回路(2):発振回路の例としてLC発振回路・水晶発振回路、さらにPLL発振回路の原理を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第14回】
高周波の計測理論:高周波回路の理解に必要な分布定数回路の概念、特性インピーダンスとインピーダンスマッチングを解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。
【第15回】
高周波や各種の電子計測機器・信号発振器:分布定数回路の概念理解を前提に、インピーダンスマッチングに関わる測定量とネットワークアナライザを解説し、さらに高周波特有の計測器や信号発振器等を解説します。授業前に教科書の該当部分を通読してください。授業後は例題解説を元に課題レポートに取組んでください。