Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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感性工学論2(Sensible Engineering2) 井手 眞
1年 後期 基礎分野選択 2単位
【柔整・後】 17-1-0549-2022

1.
授業の概要(ねらい)

この授業は、おもに講義形式ですすめ、紙を使って制作実習などもします。感性と創造力との関係の学習することを通して、感性への理解を深めることで感性工学の理解を深めます。シンボル操作を介した間接の伝達の考察のなかで感性の働きを学習し理解を深めます。色紙(トーナルカラー)を使用して「自分の色彩感覚」を確認することと「透明視」を制作し錯覚を学習します。感性工学への理解を深めるために、視覚から正確に情報は伝達されているか、正確な認識で記憶されるのか、人と人とのコミュニケーションは正確に情報伝達できるのか、なぜ人はある価値観に捕らわれるのか、どのように情報を整理し視覚伝達をデザインするのかなどを考察し、情報伝達とコミュニケーション、視覚伝達と情報デザインについて学習することで、感性について考えていきます。

2.
授業の到達目標

感性工学は人間が脳でイメージしたことを具体的なかたち、すなわち物理的デザイン要素に翻訳し実現する技術です。その技術を開発するために感性とは何かを把握することが不可欠です。
総合基礎のこの授業は、感性を理解することを目標とします。後期は情報伝達とコミュニケーションをテーマとして人と人とのコミュニケーションの理解を深めることと視覚伝達と情報デザインをテーマとして学習するなかで視覚から何が伝わるのか、デザインする必要性でコミュニケーションを円滑にしていることを理解し感性工学への理解を深めることを目標とします。感性が心を豊かにし、生活のなかで感性を磨くことの大切さを理解してもらいます。

3.
成績評価の方法および基準

課題の制作物については、構成・リズム・バランスと発想・アイデアと美しさ・精緻さを評価基準とし5段階評価をします。レポートについては、構成・論理的記述・考察要点を評価基準とし5段階評価をします。
成績評価の評価割合を制作物60%、レポート40%とします。
原則として再試験は行いません。
提出日より遅れて提出した場合は、特別な理由がないかぎり評価しません。
毎回出欠をとり、2/3以上の出席に満たない学生の課題とレポートは評価しません。

4.
教科書・参考書

教科書はありません。参考書については、講義中に指示します。

5.
準備学修の内容

感性を豊かにする視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚について調べてください。
また授業ごとにテーマを提示します。
毎回の授業で考察したことを理解しているか、生活に応用し繰り返し学習してください。
専門用語の意味等を理解しておいてください。
基本的にレポートの書き方については、個人で繰り返し学習をしておいてください。
課題制作は、試作を繰り返すことで考えがまとまり精緻化されます。なんども試行錯誤することを心がけて試作をするようにしてください。

6.
その他履修上の注意事項

色紙(トーナルカラー)を使用。
課題制作に必要な材料及び道具が必要になります。
レポートは、A4用紙にワープロで制作。

7.
各回の授業内容
【第1回】
概要説明
視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の最新研究を調べてみよう
【第2回】
人と人とのコミュニケーション シンボルによる間接の伝達のメリットとデメリット
コミュニケーションを人類の誕生から考えてみよう
【第3回】
19世紀に写真が出現して、20世紀はシンボルによる間接の伝達が変化
写真による直接の伝達の証拠力を考えてみよう
【第4回】
イメージ操作を含む思考過程と価値観について
視聴学文化のメリットとデメリットを調べて考えよう
【第5回】
知覚系にかかわるコミュニケーション循環
私たちの生活環境は偏見のない思考を生み出せる環境か考えてみよう
【第6回】
五つの感覚器官はなにを伝達するのか?・後期課題説明
課題のラフスケッチや試作を試みよう
【第7回】
実習(1)言語イメージの配色
次週までにトーナルカラー全色を1.2cm角チップにしてくること
【第8回】
実習(2)カラーイメージスケール
自分の制作したものを写真で撮るようにしてください
【第9回】
実習(3)透明視
課題のラフスケッチまたは考えや試作したものを提出する
【第10回】
感覚器官の錯覚・錯視
五感の最新研究を調べたものを発表をしてもらいます
【第11回】
ビデオ鑑賞による視覚伝達
なにが印象に残ったかをレポートしてもらいます
【第12回】
見ることで何が伝わったか?
視覚情報をわかりやすくするには、どのような工夫が必要かを考えてみよう
【第13回】
情報をデザインすることとは何か?
自分の経験、知識による判断は正確なのかを考えてみよう
【第14回】
ビデオ鑑賞の検証と視聴覚伝達
視聴学伝達のメリットとデメリットを調べて、考えてみよう
【第15回】
感性工学について・課題総評
感性を豊かにし、人々に貢献できるかを考えてみよう