Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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空間芸術論2(Vision and Technology in Art2) 井手 眞
2年 後期 基礎分野選択 2単位
【柔整・後】 17-1-0597-2022

1.
授業の概要(ねらい)

この授業は、前期を受講していることを前提としています。おもに授業は講義形式でおこないます。ビデオ鑑賞や絵画のスライドを用い、より理解を深められるようにします。後期では、第一次世界大戦後のヨーロッパからシュルレアリスムなどモダン・アートの変遷、近代デザインの確立、そして現代までのアートの変遷と戦争やコンピューターなどの科学技術との関係性を考えて、20世紀のアートの中心となった表現方法と思想を学習します。そのアートが生まれた歴史的背景と当時の世界観を理解し、その時代に生まれたアーティストがどう感じ、どう生きたかを考察し理解を深めてもらいます。

2.
授業の到達目標

この授業は、20世紀に芸術はなぜ大きく変化したのか、現代美術が何を描いているのか分からなくなったのはなぜか、どこが芸術なのか、芸術が理解できないのはなぜかを学習し理解を深めるようにします。その中で、空間認識と平面・立体認識の変化がどう表現方法に影響したのかを理解を深めることを目標にします。これらを前期・後期合わせて学習します。さらに、アーティストの生き方や世界観に理解を深めることで、これからの自分の生き方の参考にしてもらいます。いままで以上に芸術への理解と感性を深めてもらいます。

3.
成績評価の方法および基準

課題の制作物については、構成・リズム・バランスと発想・アイデアと美しさ・精緻さを評価基準とし5段階評価をします。レポートについては、構成・論理的記述・考察要点を評価基準とし5段階評価をします。
成績評価の評価割合を制作物60%、レポート40%とします。
原則として再試験は行いません。
提出日より遅れて提出した場合は、特別な理由がないかぎり評価しません。
毎回出欠をとり、2/3以上の出席に満たない学生の課題とレポートは評価しません。

4.
教科書・参考書

末永照和=監修「[カラー版]20世紀の美術」(美術出版社)前期と同じテキストです。
参考書については、講義中に指示します。

5.
準備学修の内容

「[カラー版]20世紀の美術」を読み、次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておいてください。
また、変革の激しい20世紀に芸術を追求した人々の生き方を想像しながら学習してください。
基本的にレポートの書き方については、個人で繰り返し学習をしておいてください。
課題制作は、試作を繰り返すことで考えがまとまり精緻化されます。なんども試行錯誤することを心がけて試作をするようにしてください。

6.
その他履修上の注意事項

課題制作のための材料及び道具が必要になります。
レポートは、A4普通紙にワープロで制作。

7.
各回の授業内容
【第1回】
前期講義概要と第一次世界大戦
第一次世界大戦までの科学技術と大戦により発達した科学技術を調べよう
【第2回】
20世紀の美術―ダダ ダダイズムの何も意味しないとは何か?
いまの窒息しそうな社会事象を見つけよう
【第3回】
20世紀の美術―デュシャンについて、レディメイドは芸術か?
芸術の概念とは何か考えてみよう
【第4回】
20世紀の美術―狂騒の1920年代、パリの解放区
ビデオを鑑賞して討論しましょう
【第5回】
20世紀の美術―アール・デコの象徴「シャネルNo.5」とカッサンドルのポスター
いま最先端のカッコいいものはなにか、調べてみよう
【第6回】
20世紀の美術―後期課題説明とピカソのゲルニカ
課題のラフスケッチをいろいろと描いてみよう
【第7回】
20世紀の美術―シュルレアリスム(超現実主義)見えないものを表現することとは?
物質世界以外にどのような世界があるか調べて考えよう
【第8回】
20世紀の美術―ダリとモンドリアン 魔術的リアリズムと幾何学的抽象の厳格な美学
見えるものと見えないもので、対立するか対になるものを調べてみよう
【第9回】
20世紀の美術―デ・スティルとバウハウス 近代デザインの確立とモダンとは?
合理性のあるデザインと非合理なデザインから好きなデザインを探そう
【第10回】
20世紀の美術―第二次世界大戦と抽象表現主義 パリからニューヨークへ
物質の消失への恐怖と飢餓感について考えよう
【第11回】
20世紀の美術―ポロックについて
すべて誰かがしてしまったら、どうすることができるか考えよう
【第12回】
20世紀の美術―ポップ・アート 複製技術時代のウォーホルが表現したものは?
オリジナルの消滅とコピーしかない社会について考えよう
【第13回】
20世紀の美術―ニキ・ド・サンファル 女性アーティストの葛藤
サンファル以前の女性アーティストを調べてどういった人生だったか考えよう
【第14回】
20世紀の美術―コンセプチュアル・アート 自分の手で制作しないでアートなの?
考えやアイデアだけでアートはいいのか、考えてみよう
【第15回】
1980年代から現代までのアート・課題総評
今後もアートが生まれ続けるには、なにが必要か考えてみよう