1. |
授業の概要(ねらい) |
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近年、通信や運搬技術の発展に伴いグローバル化が進行する中で、日本では「戦後レジームの脱却」の必要性が主張される。1989年の東西冷戦の崩壊、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災、そして2011年の東日本大震災といったできごとを経てもなお「戦後」という語は延命し、様々な文学作品へ影響を与えている。特に東日本大震災については国際的に注目されたことが記憶に新しい。そうしたできごとを通じて、作家がどのように自らの記憶を記録し、表現しようとしたのか、小説や評論を通じて考える。
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2. |
授業の到達目標 |
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国際的視野から様々な小説を取り上げ、その読解を通して自分の意見を持ち、レポートを書く。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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出席50%、レポート50%
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4. |
教科書・参考書 |
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教材はこちらで適宜、用意する。
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5. |
準備学修の内容 |
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一部、長編作品を扱うため全文を通読できない場合がある。提示する作品そのものを読んでいることが望ましいが、興味の範囲で構わないので作品の作者について調べておくことを勧める。なお、シラバスに記した作品は、一部変更する場合もある。その際には授業内にて指示する。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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情報電子工学科を対象とするクラスにおいて、この科目はJABEE対応プログラムの選択必修科目、学習・教育到達目標中項目1-1に対応する科目となります。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
自己紹介、講義の説明 |
【第2回】 |
川上弘美『神様2011』を読む |
【第3回】 |
大城立裕「カクテルパーティー」を読む① |
【第4回】 |
大城立裕「カクテルパーティー」を読む② |
【第5回】 |
大城立裕「カクテルパーティー」を読む③ |
【第6回】 |
大城立裕「戯曲 カクテルパーティー」を読む |
【第7回】 |
金原ひとみ「持たざる者」を読む① 金原ひとみ「持たざる者」を読む② 金原ひとみ「持たざる者」を読む③ |
【第8回】 |
金原ひとみ「持たざる者」を読む④ |
【第9回】 |
震災後の「文学」について |
【第10回】 |
戦争と谷崎潤一郎訳『源氏物語』 |
【第11回】 |
「バリケードの中の『源氏物語』」 |
【第12回】 |
綿矢りさ「大地のゲーム」を読む① |
【第13回】 |
綿矢りさ「大地のゲーム」を読む② |
【第14回】 |
綿矢りさ「大地のゲーム」を読む③ |
【第15回】 |
講義のまとめ、レポート提出 講師が『源氏物語』をはじめとする古典の研究者であるため、現代の文学作品だけでなく、戦中や戦後に古典文学がどのように受容されたのか、といったことも問題としたい。国内の問題であることが、あくまでその外側である国外との相対的な問題である事に留意しながら講義をする。 |
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