Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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育種生命理工学 (Breeding Science) 梶谷 正行
1年 前期 専門科目選択 2単位
【専工前・前】 17-3-1011-2019

1.
授業の概要(ねらい)

 最初の授業では、遺伝情報発現の流れと遺伝子工学の概説を行い、序論とする。その後の回では、新しい育種技術を、英語の文献を読み解きながら理解を深めるスタイルを取る。ケース・スタディを通じて、その分子育種の基本技術を理解するだけでなく、その時代的背景やその後の波及効果にも目を向けてくれるよう講義していく。

2.
授業の到達目標

 現代の生命科学はいわゆる遺伝子操作を可能とし、さらにその応用として、遺伝子工学を中心とするバイオテクノロジーを生み出してきた。この新しい技術により生物に新しい付加価値を与え、さらには、生物を物質生産の「生物工場」として利用しようとする分子育種も可能となっている。本科目では、そのような新しい育種技術を、具体例を通して講義し、その基本的な考え方と基本技術を理解できるようになることを目指す。また、この分子育種技術の可能性と問題点について科学的に議論できるよう、リードしていく。

3.
成績評価の方法および基準

 演習時の取組み方(発表の量と質)と最終の課題レポートの内容とで評価する。レポート評価のポイントは、テキストに書かれていることだけでなく、参考文献も調べて、まとめあげているかを重要視する。

4.
教科書・参考書

 教科書は使用しない。必要に応じてプリント教材を配付する。

5.
準備学修の内容

 分野的には、学部学生を対象に開講されている「分子遺伝学」および「核酸工学」、「タンパク質工学」と重複しているが、内容はより専門的になる。また、英文の文献輪読も取り入れるので、生物科学英語を読みこなす能力が前提となる。プリント教材を事前に配付するので、予習して講義に臨むこと。

6.
その他履修上の注意事項

 メインには英文読解の演習形式で進める。状況に応じて、その時代的背景やその後の波及効果について説明を加えていく。なお、後半には、育種工学に関連する文献を受講生諸君に自由に選んでもらい、そのレポートを授業時間中に発表し、受講生全員で総合討論する形式の回を設ける。

7.
各回の授業内容
【第1回】
遺伝子工学序論
【第2回】
DNAを知る
【第3回】
分子育種の基本的な戦略と技術1(英文読解の演習を含む):制限酵素と結合酵素
【第4回】
分子育種の基本的な戦略と技術2(英文読解の演習を含む):発現制御
【第5回】
細菌での分子育種1(英文読解の演習を含む):原核細胞と真核細胞の違い
【第6回】
細菌での分子育種2(英文読解の演習を含む):発現から精製まで
【第7回】
植物での分子育種1(英文読解の演習を含む):アグロバクテリアによる遺伝子導入
【第8回】
植物での分子育種2(英文読解の演習を含む):第一世代と第二世代
【第9回】
動物での分子育種1(英文読解の演習を含む):ウイルスを飼い慣らす
【第10回】
動物での分子育種2(英文読解の演習を含む):実用的な展開
【第11回】
クローン化タンパク質と糖鎖1(英文読解の演習を含む):糖鎖の構造と機能
【第12回】
クローン化タンパク質と糖鎖2(英文読解の演習を含む):糖鎖の違いとその生理作用の違い
【第13回】
課題レポートの発表会1:受講生によるプレゼン(第1回)
【第14回】
課題レポートの発表会2:受講生によるプレゼン(第2回)
【第15回】
まとめと総合討論