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授業の概要(ねらい) |
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社会保障は、国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民にすこやかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行う仕組みです。我が国は人口の減少・超高齢化が世界の国々の中で最も早く進んでいると言われており、今後我が国の社会保障は難しいかじ取りを迫られる局面が続くと思われます。一方で、目を世界に転ずれば世界経済の見通しは一層その不透明さを増してきています。格差の拡大も指摘されています。国民の生活を守り、社会の統合や政治的安定を図る社会保障の重要性は一層増してきております。社会保険論Ⅱでは、介護保険、年金、雇用保険、労働者災害補償保険の基本的な考え方や制度の特徴を理解します。また社会保障の歴史や構造を学習することで現在どのような課題を抱えており今後どう変化していくのかを考えていきたいと思います。これが授業の狙いとなります。授業は基本的に講義形式で行います。
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授業の到達目標 |
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社会保障は、3つの給付(福祉サービス、医療サービス、金銭)と3つの仕組み(社会保険、生活保護、社会福祉)に分かれ、それぞれの視点から捉えることで全体像を学習していきます。社会保険の一つである介護保険、年金、雇用保険、労災保険を通してその役割、意義について理解することを授業の到達目標とします。
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成績評価の方法および基準 |
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定期試験結果及びリアクションペーパー等により総合的に評価します。
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教科書・参考書 |
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椋野美智子・田中耕太郎[著]『はじめての社会保障-福祉を学ぶ人へ[第4版]』有斐閣アルマ(2017年)の内容を参考にして作成したパワーポイントの資料を基本的なテキストとして使用します。 社会保険論Ⅱでは、同著の第3章から第6章及び第8章を基本にパワーポイントの資料を作成します。 他の資料を必要とする場合は授業中に配布します。
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5. |
準備学修の内容 |
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学生の事前準備学修を支援する上で各授業の最後に次回授業のテーマを示します。また各回の授業終了後に、質問コーナーを設けて学習者からの質問を受け付けます。また、学習者からのリアクションペーパーの内容を踏まえて質問コーナーを一層役立てていきます。加えて授業で使用したパワーポイントの資料を授業実施後の翌日までにLMSに登録しますので学習者の復習に役立てられるように環境整備します。
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その他履修上の注意事項 |
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社会保険論Ⅰを受講後に履修することを推奨します。 「なぜ?」「どうして?」と常に理由を考える習慣をもって授業に臨んでください。「なぜ?」「どうして?」と考えていくと、それぞれの要素が相互に関連してくることが分かってきます。1つの制度の構造を学びそれと比べる事により次の制度を理解しそれらを積み上げて全体を理解していくことになると思います。社会人として羽ばたく前に社会の必要な仕組みを是非理解してほしいと思っています。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション-授業の進め方、評価の基準等の概要説明及び春学期の概要復習 | 【第2回】 | 介護保険(1) 介護サービスを保障する仕組み・保険者・被保険者と保険料 | 【第3回】 | 介護保険(2) 保険給付・介護提供体制・権利保護 | 【第4回】 | 年金(1) 所得を保障する仕組み・被保険者と保険料 | 【第5回】 | 年金(2) 老齢年金・財政方式 | 【第6回】 | 年金(3) 障害年金・遺族年金 | 【第7回】 | 年金(4) 年金の業務体制・企業年金 | 【第8回】 | 雇用保険(1) 失業した場合に所得を保障する仕組み・被保険者と保険料 | 【第9回】 | 雇用保険(2) 保険給付・雇用保険事業 | 【第10回】 | 労働者災害補償保険(1) 業務上の事故について補償する仕組み・適用事業と保険料 | 【第11回】 | 労働者災害補償保険(2) 業務上/通勤による災害の認定・保険給付・社会復帰促進事業 | 【第12回】 | 社会保障の歴史と構造(1) 日本の社会保障の歩み・社会保障の機能 | 【第13回】 | 社会保障の歴史と構造(2) 社会保障の財政・現在の社会保障の課題と今後の展望 | 【第14回】 | 講義内容の総まとめ(1) | 【第15回】 | 講義内容の総まとめ(2) |
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