Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ECT-203
マクロ経済学 I 冨田 秀昭
選択必修  2単位
【経済】 18-1-1110-4894-040

1. 授業の概要(ねらい)

 新聞・テレビ・インターネットなどを通じて、皆さんは日々たくさんの経済関連ニュースを目にしていることでしょう。本講義では、インフレーション、失業、経済成長など経済全体に関わるさまざまな事象を研究するマクロ経済学の考え方の基礎を学ぶことを目的とします。
 「マクロ経済学」においては、「入門マクロ経済学」で学ぶ講義内容から一歩踏み込んで、現実の日本経済の動向を随時取り入れた講義を行います。「マクロ経済学Ⅰ」においては、GDPの諸概念、消費と貯蓄および設備投資の理論、マクロ経済における金融の役割などを取り上げた後、IS-LM分析と財政金融政策の効果について論じます。
 本講義を通じて、皆さんは「景気の変動はなぜ発生するのか」、「今後の日本経済はどうなるのか」など、現実の日本経済の動向を自ら考えることを習慣づけて下さい。

2.
授業の到達目標

 (1)GDPの概念、消費と貯蓄、設備投資の理論、金融の役割、およびIS-LM分析を用いた財政金融政策の効果など、マクロ経済学における基礎的概念を習得する。
 (2)習得した基礎的概念を用いて、日本経済に関するさまざまな問題について、周りの人に自分の言葉で説明することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 (1)期末試験70%をベースとして、講義において不定期に課す課題・小レポート提出(複数回)30%を加味して、総合的に評価します。
 (2)合格ラインにわずかに満たない場合で、出席状況のほか日頃の受講姿勢を勘案して合格とすることもあるので、まじめに取り組んで下さい。

4.
教科書・参考書

 【教科書】福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門(第5版)』有斐閣、2016年
 必要に応じて最新経済データなどの資料を配付します。
 その他、必要な参考書、資料などがあれば、講義の中で随時紹介していきます。

5.
準備学修の内容

 (1)講義前に教科書の関連部分を熟読し、疑問点などをチェックして講義に臨んで下さい。
 (2)講義では、マクロ経済学で必要な論理的な考え方を丁寧に解説することを心掛けるつもりですので、板書量は多くなります。帰宅してから、その日の講義内容を見直すなど、復習に重点を置いて取り組んで下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 (1)マクロ経済学の考え方を体系立てて理解するため、「マクロ経済学Ⅱ」の連続受講を希望します。
 (2)講義では、マクロ経済学の基礎的概念を含めた全体をカバーする予定ですので、「入門マクロ経済学」の履修は必須ではありません。
 (3)講義中の私語など、他の受講生に迷惑を掛ける行為があった場合には、成績評価に際して大幅減点、あるいは不合格とすることがあります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義ガイダンス
【第2回】
 GDPとは何だろうか?(1):GDPに関する諸概念(第1章 1.GDP~5.名目値と実質値)
【第3回】
 GDPとは何だろうか?(2):日本における景気変動(第1章 6.景気循環の考え方)
【第4回】
 消費と貯蓄はどのようにして決まるか?(1):消費と貯蓄の理論(第2章 1.ケインズ型消費関数~5.流動性制約と消費)
【第5回】
 消費と貯蓄はどのようにして決まるか?(2):日本の貯蓄率動向(第2章 6.日本の貯蓄率と国際比較~9.「家計調査」でみた貯蓄率)
【第6回】
 設備投資と在庫投資(1):設備投資とは?(第3章 1.企業の設備投資~5.望ましい資本ストック)
【第7回】
 設備投資と在庫投資(2):主要な投資理論(第3章 6.新古典派投資理論~9.在庫投資)
【第8回】
 金融と株価(1):マクロ経済における資金の流れ、株価の決定(第4章 1.企業の資金調達手段~3.株価の決定理論)
【第9回】
 金融と株価(2):投資理論と金融の役割(第4章 4.トービンのq理論~6.流動性制約と投資)
【第10回】
 貨幣の需要と供給(1):貨幣の役割(第5章 1.貨幣の機能~3.貨幣需要の動機)
【第11回】
 貨幣の需要と供給(2):貨幣需要と貨幣供給(第5章 4.貨幣需要関数~6.ハイパワードマネーと貨幣供給)
【第12回】
 貨幣の需要と供給(3):貨幣量、利子率のコントロール(第5章 7.貨幣量のコントロール方法~9.テイラールール)
【第13回】
 乗数理論とIS-LM分析(1):有効需要の原理(第6章 1.ケインズ経済学の登場~2.有効需要の原理)
【第14回】
 乗数理論とIS-LM分析(2):乗数理論(第6章 3.乗数理論)
【第15回】
 乗数理論とIS-LM分析(3):IS-LM分析(第6章 4.財市場とIS曲線~7.IS-LM分析と財政金融政策)