Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ECT-204
マクロ経済学 II 冨田 秀昭
選択必修  2単位
【経済】 18-1-1110-4894-036

1. 授業の概要(ねらい)

 新聞・テレビ・インターネットなどを通じて、皆さんは日々たくさんの経済関連ニュースを目にしていることでしょう。本講義では、インフレーション、失業、経済成長など経済全体に関わるさまざまな事象を研究するマクロ経済学の考え方の基礎を学ぶことを目的とします。
 「マクロ経済学」においては、「入門マクロ経済学」で学ぶ講義内容から一歩踏み込んで、現実の日本経済の動向を随時取り入れた講義を行います。「マクロ経済学Ⅱ」においては、経済政策の必要性に関する議論に続いて、財政赤字、インフレとデフレ、失業など、日本経済が現在直面している、ないし過去に経験してきた問題を取り上げて、重点的に論じます。
 本講義を通じて、皆さんは「景気の変動はなぜ発生するのか」、「今後の日本経済はどうなるのか」など、現実の日本経済の動向を自ら考えることを習慣づけて下さい。

2.
授業の到達目標

 (1)非伝統的金融政策の有効性、財政赤字の問題、インフレとデフレ、失業、経済成長理論、オープン・マクロ経済など、マクロ経済学の基礎的概念を習得する。
 (2)習得した基礎的概念を用いて、日本経済に関するさまざまな問題について、周りの人に自分の言葉で説明することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 (1)期末試験70%をベースとして、講義において不定期に課す小テスト・課題レポート提出(複数回)30%を加味して、総合的に評価します。
 (2)合格ラインにわずかに満たない場合で、出席状況のほか日頃の受講姿勢を勘案して合格とすることもあるので、まじめに取り組んで下さい。

4.
教科書・参考書

 【教科書】福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門(第5版)』有斐閣、2016年
 必要に応じて最新経済データなどの資料を配付します。
 その他、必要な参考書、資料などがあれば、講義の中で随時紹介していきます。

5.
準備学修の内容

 (1)講義前に教科書の関連部分を熟読し、疑問点などをチェックして講義に臨んで下さい。
 (2)講義では、マクロ経済学で必要な論理的な考え方を丁寧に解説することを心掛けるつもりですので、板書量は多くなります。帰宅してから、その日の講義内容を見直すなど、復習に重点を置いて取り組んで下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 (1)マクロ経済学の考え方を体系立てて理解するため、「マクロ経済学Ⅰ」からの連続受講を希望します。
 (2)講義では、マクロ経済学の基礎的概念を含めた全体をカバーする予定ですので、「入門マクロ経済学」の履修は必須ではありません。
 (3)講義中の私語など、他の受講生に迷惑を掛ける行為があった場合には、成績評価に際して大幅減点、あるいは不合格とすることがあります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義ガイダンス、「マクロ経済学Ⅰ」の補足
【第2回】
 経済政策はなぜ必要か?(1):経済政策の有効性(第7章 1.景気循環と経済政策~4.マクロ計量モデルの役割)
【第3回】
 経済政策はなぜ必要か?(2):非伝統的金融政策(第7章 5.マネタリズムの批判~7.わが国の非伝統的金融政策)
【第4回】
 財政赤字と国債(1):日本の財政赤字(第8章 1.財政赤字の再考~3.日本の財政赤字)
【第5回】
 財政赤字と国債(2):国債発行の影響(第8章 4.国債の中立命題~6.日本の国債市場の動向)
【第6回】
 インフレとデフレ(1):日本のインフレ、インフレの原因(第9章 1.戦後日本の一般物価水準の推移~3.コストプッシュ・インフレーション)
【第7回】
 インフレとデフレ(2):インフレのコスト、デフレ(第9章 4.予想されないインフレのコスト~7.デフレーション)
【第8回】
 失業(1):失業の原因、フィリップス曲線(第10章 1.労働市場と失業~2.フィリップス曲線)
【第9回】
 失業(2):自然失業率(第10章 3.自然失業率仮説~4.自然失業率の変動)
【第10回】
 失業(3):日本の失業率の動向(第10章 5.日本の失業率はなぜ低かったのか?~6.1990年代半ば以降の日本の失業率)
【第11回】
 経済成長理論(1):経済成長とその源泉、代表的な経済成長理論(第11章 1.経済の成長~3.経済成長理論)
【第12回】
 経済成長理論(2):成長会計(第11章 4.成長会計~5.成長会計の計測例)
【第13回】
 経済成長理論(3):内生的経済成長理論、経済成長と所得分配(第11章 6.収束の概念~8.経済成長と所得分配)
【第14回】
 オープン・マクロ経済(1):国際収支表、為替レート、および国際通貨制度(第12章 1.国際収支表~3.国際通貨制度の推移)
【第15回】
 オープン・マクロ経済(2):為替レート・経常収支の決定要因(第12章 4.為替レートの決定要因~5.経常収支の決定要因)