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授業の概要(ねらい) |
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一口に金融論と言っても、そのカバーする分野はかなり広範に及びます。家計・企業の資金運用や調達(ファイナンス)、金融機関によるリレーションシップ・バンキング、日本銀行による非伝統的金融政策、ユーロ圏諸国で発生した債務危機(ユーロ危機)問題など、これまで報道で取り上げられてきた事項のごく一部を列挙しただけでも、扱う分野の広さは理解できるでしょう。 「金融論」の講義では、金融に関する基礎的知識について学び、金融関連のニュースを正しく理解すると同時に、日本経済に与える影響を説明できるようになることを目指すものとします。 「金融論Ⅱ」では、「2%のインフレ目標」の達成を掲げて、さまざまな取り組みを続けている日本銀行による金融政策の基礎的な考え方をしっかり理解することを目標とします。
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授業の到達目標 |
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(1)経済学的知識を用いて、日本銀行による金融政策の基礎的な考え方を学習する。 (2)習得した金融政策に関する知識を用いて金融関連の報道を正しく理解し、日本経済において果たす役割を説明できるようになる。
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成績評価の方法および基準 |
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(1)期末試験70%をベースとして、講義において不定期に課す小テスト・課題レポート提出(複数回)30%を加味して、総合的に評価します。 (2)合格ラインにわずかに満たない場合で、出席状況のほか日頃の受講姿勢を勘案して合格とすることもあるので、まじめに取り組んで下さい。
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教科書・参考書 |
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【教科書】 小林照義『金融政策』中央経済社、2015年 【参考書】 (1)家森信善『金融論』中央経済社、2016年 (2)酒井良清・鹿野嘉昭『金融システム(第4版)』有斐閣、2011年 必要に応じて最新経済データなどの資料を配付します。 その他、必要な参考書、資料などがあれば、講義の中で随時紹介していきます。
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準備学修の内容 |
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(1)講義前に教科書・参考書の関連部分を熟読し、疑問点などをチェックして講義に臨んで下さい。 (2)講義では、入門レベルの金融論で必要な論理的な考え方を丁寧に解説することを心掛けるつもりですので、板書量は多くなります。帰宅してから、その日の講義内容を見直すなど、復習に重点を置いて取り組んで下さい。
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その他履修上の注意事項 |
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(1)入門レベルの金融論を体系立てて理解するため、「金融論Ⅰ」からの連続受講を希望します。 (2)講義中の私語など、他の受講生に迷惑を掛ける行為があった場合には、成績評価に際して大幅減点、あるいは不合格とすることがあります。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 講義ガイダンス | 【第2回】 | 金融政策と日本経済(第1章) | 【第3回】 | 金融と通貨の意味(第2章) | 【第4回】 | 民間銀行の役割(第3章) | 【第5回】 | 日本銀行の役割と金融政策(第4章) | 【第6回】 | 日本銀行の金融調節①(第5章) | 【第7回】 | 日本銀行の金融調節②(第6章) | 【第8回】 | 金融政策の波及効果(第7章) | 【第9回】 | 「伝統的」金融政策:金利操作(第8章) | 【第10回】 | 「非伝統的」金融政策:ゼロ金利政策(第9章) | 【第11回】 | 「非伝統的」金融政策:量的緩和・信用緩和(第10章) | 【第12回】 | 「非伝統的」金融政策のまとめと今後の課題(第11章) | 【第13回】 | 金融政策の新たな枠組み(第12章) | 【第14回】 | 日本とアメリカの金融危機(第13章) | 【第15回】 | 講義の総括と期末試験 |
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