1. |
授業の概要(ねらい) |
|
私たちは、政府、日本銀行により実施されている経済政策により、さまざまな影響を受けて生活しています。すぐに思い浮かぶ代表的な経済政策はマクロの財政金融政策ですが、それ以外にも多様な経済政策があります。ミクロの資源配分などに影響を及ぼす最低賃金制度、保護貿易政策、産業政策をはじめとする市場への政府介入、外部性を内部化するための政策介入など、さまざまな経済政策が考えられます。 「経済政策論」の講義では、経済政策を評価するための基礎理論を学んだ上で、日本で実施されている経済政策を評価できるようになることを目指します。 「経済政策論Ⅰ」では、必要な経済学の考え方を整理した上で、経済政策を評価するための基礎理論を習得し、市場への政府介入、外部性の存在するケースなど、資源配分の効率性の観点からどのように評価できるかについて学びます。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
(1)ミクロ経済学とマクロ経済学の考え方を用いて、経済政策を評価するための基礎理論を学びます。 (2)習得した経済政策の基礎理論により、日本で実際に採用されている経済政策を評価できるようになることを目指します。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
(1)期末試験70%をベースとして、講義において不定期に課す課題・小レポート提出(複数回)30%を加味して、総合的に評価します。 (2)合格ラインにわずかに満たない場合で、出席状況のほか日頃の受講姿勢を勘案して合格とすることもあるので、まじめに取り組んで下さい。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
【教科書】岩田規久男・飯田泰之『ゼミナール経済政策入門』日本経済新聞出版社、2006年 原則として、講義内容の要点を記載したレジュメを毎回配付するほか、必要に応じて資料も配付します。 その他、必要な参考書、資料などがあれば、講義の中で随時紹介していきます。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
(1)講義前に教科書の関連部分を熟読し、疑問点などをチェックして講義に臨んで下さい。 (2)講義では、現実の経済政策を考える際の経済学的考え方を丁寧に解説することを心掛けるつもりですので、板書量は多くなります。帰宅してから、その日の講義内容を見直すなど、復習に重点を置いて取り組んで下さい。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
(1)「入門ミクロ経済学」および「入門マクロ経済学」を履修済みであることが望ましい。 (2)経済政策を考える際の経済学的考え方を体系立てて理解するため、「経済政策論Ⅱ」の連続受講を希望します。 (3)講義中の私語など、他の受講生に迷惑を掛ける行為があった場合には、成績評価に際して大幅減点、あるいは不合格とすることがあります。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 講義ガイダンス | 【第2回】 | 経済政策のための経済学基礎(1):経済学の基礎 | 【第3回】 | 経済政策のための経済学基礎(2):需給分析とGDP概念 | 【第4回】 | 経済政策のための経済学基礎(3):資源配分の効率性と余剰分析 | 【第5回】 | 経済政策のための経済学基礎(4):所得分配の公平性 | 【第6回】 | 経済政策のための経済学基礎(5):第2回~第5回の講義内容の総括 | 【第7回】 | 市場への政府介入(1):課税 | 【第8回】 | 市場への政府介入(2):価格の上限規制(家賃規制) | 【第9回】 | 市場への政府介入(3):価格の下限規制(最低賃金規制) | 【第10回】 | 市場への政府介入(4):保護貿易政策 | 【第11回】 | 市場への政府介入(5):産業政策 | 【第12回】 | 外部性と公共財(1):外部性の存在と効率性 | 【第13回】 | 外部性と公共財(2):外部性の内部化 | 【第14回】 | 外部性と公共財(3):公共財の供給 | 【第15回】 | 講義全体の総括 |
|