Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
科目ナンバリング:ECP-303
現代経済の課題A I 石川 義孝
選択  2単位
【経済】 18-1-1110-4896-028

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、日本が人口減少社会へ移行している中、社会・経済に大きな影響を与える日本の人口の動向とその構造・分布について学んでいきます。また、日本の人口の状況が社会・経済に及ぼす影響についても、考えていきます。授業は、人口動向や構造・分布を考える上での基礎となる諸概念の解説をおこなうとともに、人口分析のための方法やデータについても解説します。
 春期には、人口に関する基礎的な理論や方法を学びながら、日本人口を対象に、出生・死亡・移動という人口変化の3大イベントを中心に、これに関係するいくつかのテーマについて、地域人口という観点をふまえつつ、概観します。秋期には、春期の内容を受けて、人口減少時代を迎えた日本にとって重要な、高齢化、東京圏と地方圏の格差、在留外国人などのテーマについて、解説します。

2.
授業の到達目標

 ①人口の構造・動向を分析するための基礎的な方法や概念を理解する。
 ②現実の日本の人口の構造・動向について、実証的なデータを基に理解を深める。

3.
成績評価の方法および基準

 授業で何回か提出してもらう授業の内容の理解を確認するための問題(小テスト)の解答状況が30%、期末の試験が70%の割合で評価します。

4.
教科書・参考書

 教科書は、以下を用います。
  ・石川義孝・井上孝・田原裕子編『地域と人口からみる日本の姿』(古今書院)
 参考書は、授業の中で随時紹介します。

5.
準備学修の内容

 毎回の授業内容を十分に復習しておいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 予備知識は特に必要としません。前の回の授業内容を理解していないと次の回の授業が分からなる場合が多いので、確実に出席するようにしてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義の内容・計画、全国的な人口分布:地域人口統計、全国人口の変化、地域人口の変化、3つの指標による考察
【第2回】
 出生:少子化はなぜ問題か、少子化に至る過程、世界の中の日本の「少子化」、近年の日本国内の少子化
【第3回】
 死亡・疾病:死亡の長期推移、都市-農村間格差の転換、大都市圏内の死亡の格差、健康の地理的格差を生み出す仕組み
【第4回】
 国内人口移動:人口移動の定義と統計、戦後日本の人口移動の推移、人口移動をめぐる諸現象
【第5回】
 国際人口移動:国際移動の推移、国際移動の目的・背景、海外在住の日本人
【第6回】
 在留外国人:在留外国人の推移、多様な在留資格、日本国内の分布状況、ホスト国での定住化
【第7回】
 家族・世帯:世帯の多様化、単独世帯の増加、ひとり親世帯の増加
【第8回】
 性比と結婚:性比とは何か、性比の地域差、結婚、未婚率の上昇とその地域差 
【第9回】
 高齢人口の移動と分布:老年人口の増加、高齢化の地域差、高齢人口移動
【第10回】
 高齢者の生活:世帯、住まい、就業、介護
【第11回】
 都市内の人口分布:都市圏とは?、都市圏の拡大と人口分布の変化、都市内人口分布の変化の要因、都市発展のモデル化
【第12回】
 大都市圏の人口地理:三大都市圏の人口、郊外化、都心回帰、大都市圏人口のこれから
【第13回】
 地方圏の人口地理:戦前期の動向、高度成長期の動向、安定性成長期の動向、過疎化と集落の問題
【第14回】
 ライフコース、ライフヒストリーと移動歴:ライフサイクルとは?、ライフコースとは?、縦断データからみる移動歴、ライフヒストリー研究の目標、移動歴研究の魅力
【第15回】
 人口統計と試験