Web Syllabus(講義概要)

　東アジアやヨーロッパの国々の多くでは少子化とそれに伴う高齢化が進行しており、一方でサハラ以南のアフリカ諸国では依然として高い出生率が続くなど、世界の人口動向は多様である。人口の動向は、国の経済・社会に大きな影響を与えることから、様々な立場から人口に関する研究が行われてきている。その中には、国際人口移動の問題、国内における都市化などの問題も含まれる。この授業は、地域人口論の立場から、これらの人口現象を分析するための基本的な方法を学ぶとともに、受講者が、自ら設定した人口に関するテーマについて分析・研究を進めることを目的とする。春期においては、受講者の意向も踏まえて選定した日本語の学術論文の講読を中心に、人口の研究方法を学んでいきたい。また、秋期においては、論文作成を念頭に置きつつ、受講者が特定の国や国内の地域の人口、あるいは国際比較の観点からテーマを決め、それに関連する文献（英語論文を含む）の講読や討論を通じ、論文作成に向けた報告をしてもらう形で進めていきたい。

　①地域人口論における基本的な概念、方法を修得するとともに、それらの方法を実際のデータに適用できる。
　②自分が問題意識を持つテーマについて、文献収集、分析などを行う能力を高める。

　各回の授業における講読や討論への参加状況が60％、期末に提出を求めるレポートが40％、で評価する。

　各種の文献・資料や、受講者の関心とテーマに応じた文献や統計資料を用いる。

　講読する論文については、指定された部分をあらかじめ丁寧に読み、予習して授業に臨んでください。

　講読する論文の内容について、受講者が自ら説明することを多く採り入れる方法で授業を進める予定である。なお、地域人口論に関する予備知識は、特に必要ない。