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授業の概要(ねらい) |
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テーマは「日本とアジア」である。日本とアジアの相互連関の視点から、主に戦前から現代にいたる日本・アジア関係の変遷と現状について概説する。授業は、日本の植民地支配を起点として、「アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」戦争を振り返り、戦後、復興を成し遂げた日本が、アジアでどのようにその国際的責任を果たすようになってきたのかを辿る。日本の経済協力(ODA)やカンボジア・東チモールでのPKO(国連平和維持活動)、インドシナ難民の受け入れといったトピックスについては、私の実務の経験にも触れつつ扱う。 講義の後半では、日本とアジアの相互依存関係の深まりを理解すると共に、中国の台頭によるアジアでのグラビティーの変化について論じる。領土問題やいわゆる「歴史問題」といった日本が直面する課題についても、ヨーロッパで問題の克服はなされたのかという点とともに考えてみる。 授業を通じてあなたが考えたことを、アジアの人々との相互理解の実践に是非つなげていってもらいたい。
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授業の到達目標 |
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高校の日本史・世界史の授業では十分に習わなかった現代史について学び、アジアと日本の関係について広い視野に立ってものを考える力を養う。
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成績評価の方法および基準 |
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授業への出席及び議論への参加(40%)及び期末レポート(60%)に基づき、総合的に判定する。
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教科書・参考書 |
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参考文献 田中明彦『アジアのなかの日本』(NTT出版株式会社 2007年) 東郷和彦、波多野澄雄編『歴史問題ハンドブック』(岩波書店 2015年)
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準備学修の内容 |
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毎回、授業の終わりに次回のテーマに関するキーワードを提示するので、「百科事典」や『現代用語の基礎知識』等を活用して予習するようにして欲しい。
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その他履修上の注意事項 |
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春季の授業「世界の情勢(アジア)Ⅰ」を履修していることが望ましい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション | 【第2回】 | 日本によるアジアの植民地化 | 【第3回】 | 太平洋戦争期の日本とアジア | 【第4回】 | 日本の戦後復興とアジアへの経済進出 | 【第5回】 | ベトナム戦争下のアジア | 【第6回】 | 日本の対アジア経済協力 | 【第7回】 | インドシナ難民問題 | 【第8回】 | 日本のPKO | 【第9回】 | 日本とアジアの経済的つながり | 【第10回】 | 台頭する中国とアジア | 【第11回】 | 中国との関係 | 【第12回】 | 韓国との関係 | 【第13回】 | ヨーロッパの経験 | 【第14回】 | アジアの未来と日本:アクティブラーニング | 【第15回】 | まとめ |
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