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授業の概要(ねらい) |
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ヨーロッパの今日を理解するために歴史、社会、政治、経済、文化、暮らしを総合的に学びます。とくに第二次大戦後のヨーロッパを講義テーマとします。そこで戦後の歴史を欧州全体の流れとともに、イギリス、フランス、ドイツといった主要国などの各国事情を学んでもらいます。他国を学ぶことにおいて、全体像を学ぶことが大切。今日のヨーロッパは前大戦が与えた甚大な損害から復興に励み、世界に先駆けた国際的地域連合の建設を目指してきました。それが現代の欧州連合(EU)です。 戦争は社会や政治、文化あらゆる分野において、それまで世界をリードしてきたヨーロッパの地位を根本から覆したのです。そこからいかにして復興を果たし、伝統と文化を再び蘇らせて世界的地位の復権を目指したか。同じように戦争から復興し、経済大国となった日本と比較しながら、理解していくようにしたい。ヨーロッパの歴史・社会・文化を学ぶ上では映像資料、とくに戦後制作された映画は重要な教材となりえます。講義でも機会あるごとに必要な映像資料を観てもらい、学生諸君の理解を助けるために活用していきます。 後期では欧州経済の仕組みを秩序立てている欧州連合(EU)内のと統一通貨ユーロや、財政問題、ギリシア危機などを扱う。合わせて東西冷戦のはざまに置かれ、ソ連崩壊とともに新しいヨーロッパとして復活した東欧諸国や、その際に世界を揺るがせた旧ユーゴスラビア危機などを議論する。
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2. |
授業の到達目標 |
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数多くの国が集まり、しかも長い歴史をそれぞれが有した国々から成り立つヨーロッパの社会・文化・経済の基本的知識を身につけたい。明治維新からこれまで日本に大きな影響を与えてきた地域について、一定の知識に基づき、学生諸君がそれぞれの意見をもち、発表できるようなレベルに達するのを目指します。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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前期を踏襲します。毎回の講義内容をどれほど理解し、知識として蓄積できたか最終回の講義内テストで考査します。講義で配布された資料や自分でノートテイクした内容項目をよく理解しておくこと。
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4. |
教科書・参考書 |
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前期同様、講義ごとにプリント資料を配布する。講義で使用する映像資料は使用教室や事情によって変更ないし 中止する場合もあるので注意すること。
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5. |
準備学修の内容 |
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ヨーロッパ全体に関した本や映画、解説書を自分の関心にそって読んでおくと良い準備になる。講義進行に伴い、関連書を読むのも勧めたい。講義で要求するのは、基本的知識の確認と蓄積につとめること。ノートをよくとり、記憶を確かにしていくよう努力することです。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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映像資料を観る際、ノートをとっておくこと。関連した他の映像資料、映画をMELICで観てみることを勧める。基本的な受講ルールは他の講義と同じ。それに違反し、何度か注意をうけるような場合、講義受講を禁止することもありえると心得ておいてほしい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 後期ガイダンス 前期のまとめを合わせて行い、後期で扱うテーマへつなぐ。 | 【第2回】 | 東欧の悲劇 ポーランドその① ナチ・ドイツの残した爪痕 映像資料「カチンの森」(前編) | 【第3回】 | その② 「カチンの森」(後編)と解説 | 【第4回】 | その③ ソ連帝国主義への反抗 ポーランド連帯運動と冷戦崩壊 | 【第5回】 | 東欧の悲劇 チェコスロバキア 68年プラハの春 旧ユーゴ危機20万の犠牲者 | 【第6回】 | 現代ヨーロッパの食と文化を考える (フランスの食文化) | 【第7回】 | 欧州統合とは何か 欧州連合(EU)の歩み | 【第8回】 | 欧州共通通貨ユーロ危機 ギリシアから始まった財政危機 | 【第9回】 | 欧州分断の危機その① 映像資料「激動の世界 テロと難民、分断」と解説 | 【第10回】 | その② 映像資料「イギリス EU離脱の衝撃」 と解説 | 【第11回】 | 近現代日本とヨーロッパの関係史 衝突と友好 | 【第12回】 | 明治維新 近代化する日本を見たイギリス人技師 映像資料「模倣と独創のニッポン」 | 【第13回】 | 欧州最大の危機 第二次大戦の運命を決めた指導者チャーチル (前編) | 【第14回】 | 指導者チャーチル (後編) | 【第15回】 | まとめと最終講義内テスト |
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