Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:
観光経営学特講 I 小沢 健市
選択  2単位
【経営学専攻】 18-1-1130-3752-008

1. 授業の概要(ねらい)

 この講義は,演習同様に,観光における戦略についてより詳細にかつ深く学ぶことが目的である.特に,この特講では経済学における戦略の考え方や理論モデルについて深く学びたい.そうすることによって,受講生は「戦略とは何か」という重要な問題をより正確かつ深く学ぶことができるからである.換言すれば,この特講のねらいは,戦略を受講生に理解させることである.というのは,戦略とは本来目標や目的を指すが,現在はその内容も多様化し,戦略を手段として捉えている文献や使い方がなされているからである.戦略について,特に経済学でいう「戦略」とは何か,そして戦略理論の基礎を学ぶことによって,受講生がこれまで漠然と考えていた戦略は,実は「戦略」とは言えない内容の代物であったことに気が付くであろう.

2.
授業の到達目標

 「戦略」を経済学ではどう捉え,それをどうモデル化(理論化)しようとしているのかを受講生に正しく理解させることがこの講義の達成目標である.このような重要な基礎概念や基礎理論を完全に理解しておくことは,受講生の観光研究にとって有益であると考えられる.

3.
成績評価の方法および基準

 期末のレポートのみにより評価する.もちろん大学院生であるから,毎回の出席は当然のことである.

4.
教科書・参考書

 教科書は利用しないが,毎回プリントを受講生に配布する.

5.
準備学修の内容

 必ず予習・復習をそれぞれ1時間程度は励行することが必要.

6.
その他履修上の注意事項

 戦略に関する書籍,それも入門的な書物を最低1冊は精読することが必要.

7.
各回の授業内容
【第1回】
 この講義のオリエンテーションと半期の講義内容の詳細な説明
【第2回】
 戦略とは何かを説明する:戦略につての種々の考え方の紹介とそれに対する批判
【第3回】
 民間企業の戦略と戦略手段とは
【第4回】
 戦略手段としての価格:企業の重要な戦略の一つは価格である
【第5回】
 戦略手段としての供給量:企業のもう一つの重要な戦略手段は生産量である
【第6回】
 企業(売手)と消費者(買手)の市場での取引:市場では価格と取引量が決まる
【第7回】
 競争市場での需要と供給に基づく価格と取引量の決定:数値例を用いた計算例
【第8回】
 企業は常に競争市場で取引しているのではない:観光関連企業の中には独占企業も存在する
【第9回】
 観光関連企業が直面する市場は寡占的であるケースも多い:寡占企業の利潤最大化条件は
【第10回】
 寡占の特殊ケースとして複占市場における生産量を戦略手段とした経済モデル・クールノー・モデルの説明
【第11回】
 複占市場における価格を戦略手段としたモデルの説明:ベルトラン・モデルの説明
【第12回】
 観光関連企業は「広告」を戦略手段として利用する:広告の効果の測定
【第13回】
 観光関連企業においては製品差別化もまた重要な戦略手段である
【第14回】
 製品差別化は垂直的差別化と水平的差別化に分けられる
【第15回】
 この講義のまとめとレポートの課題の提示とレポートの課題の説明