Web Syllabus(講義概要)

　20世紀後半に確立されてきたジェンダー法学は、普遍的、中立的、客観的な体系としての既存の法律学は男性の視点から構築されてきたものであり、女性の存在を排除してきたと批判し、社会とあらゆる法分野で真の男女平等を実現する新たな価値の体系を作り出すことを主張する。本授業では、ジェンダー概念とジェンダー論の内容を理解した後に、様々な法分野をジェンダーの視点で見直すことを試みる。扱う予定の中心的領域は家族法であるが、その他に教育、雇用と労働、貧困と社会保障、不法行為、女性に対する暴力、セクシュアル・ハラスメント、リプロダクション、諸外国の状況など受講生の関心に合わせて具体的なテーマを決定する。
　授業は、選択したテーマについての教員による講義と履修生による報告によって構成される。

　①ジェンダー概念を正しく理解する
　②ジェンダー概念に基づき、現実の社会慣行や法制度の問題点を発見する能力を養成する
③判例を読み論点をきちんと把握する

　報告、議論への参加度、出席状況を総合評価する。

　テキスト：犬伏由子・井上匡子・君塚正臣編『レクチャー　ジェンダー法』法律文化社
　その他、テーマごとに参考文献および判例を指示する。

　毎回、授業での議論に参加できるようにテーマについて予習をしてくる。

　授業の形式や扱うテーマについては受講者の意見を取り入れながら進めていくので、積極的に発言してほしい。