Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:CRL-304
刑事政策 堀田 晶子
選択  2単位
【法学】 18-1-1210-3290-001

1. 授業の概要(ねらい)

 本講義は、前半で日本の刑罰制度を取り上げ、死刑、自由刑、財産刑の現状と課題を検討する。
 後半では、犯罪学の伝統的な理論を回顧し、現在にも通ずる犯罪理論とは何かを模索する。
 授業全体を通じて、「犯罪とは何か、刑罰とは何か」について多角的に捉える視座を養う。

2.
授業の到達目標

 ①日本の刑罰制度に関する専門的な知識を身につけ、現状と課題を具体的に説明することができる。
 ②伝統的な犯罪理論の分析を通じて、犯罪を多角的に捉える力を身につける。
 ③「犯罪とは何か、刑罰とは何か」を真剣に考え、自分の意見をまとめることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 試験によって評価します。評価配分の目安は、試験90%、授業への貢献度10%です。授業への貢献度は、勉学に対する意欲や授業態度等によって総合的に判断します。

4.
教科書・参考書

 前半の刑罰制度に関するテキストとして、以下をお勧めします。
  守山正・安部哲夫『ビギナーズ刑事政策 第3版』成文堂(2017年)
 後半の犯罪理論に関するテキストとして、以下の3冊をお勧めします。本には相性があるので、この中から自分に合ったものを選んでください。
  守山正・小林寿一『ビギナーズ犯罪学』成文堂(2016年)
  菊田幸一『犯罪学 第八版』成文堂(2016年)
  岡邊健『犯罪・非行の社会学-常識をとらえなおす視座』有斐閣(2014年)
 また、刑事政策に関する参考書として、以下をお勧めします。
  太田達也『仮釈放の理論-矯正・保護の連携と再犯防止』慶應義塾大学出版会(2017)
  朴元奎=太田達也編『リーディングス刑事政策』法律文化社(2016年)
  藤本哲也・生島浩・辰野文理『よくわかる更生保護』ミネルヴァ書房(2016)
  太田達也『刑の一部執行猶予-犯罪者の改善更生と再犯防止』慶應義塾大学出版会(2016)
  井田良=太田達也『いま死刑制度を考える』慶應義塾大学出版会(2014)

5.
準備学修の内容

 特に復習に力を入れてください。授業で扱ったテーマについて、レジュメやノートを読み返しながら、復習しましょう。勉強すればするほど、疑問がわいてきます。疑問点が出てきたら、テキストや参考書等を読んで、まずは自分で考えてみましょう。図書館を大いに活用してください。それでもわからない場合は、友人と議論したり、教員に質問したりすると良いでしょう。

6.
その他履修上の注意事項

 ①春期の「犯罪学」を履修しておくことが望ましいです。
 ②授業をよく聞いて、その都度レジュメに書き込むか、ノートを取るようにしてください。自分で書いて理解することが大切です。授業の内容が聞き取れなかった場合は、あやふやのままにせず、すぐに確認してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション-犯罪学と刑事政策-
【第2回】
 刑罰論①-死刑とは何か
【第3回】
 刑罰論②-死刑存廃論
【第4回】
 刑罰論③-自由刑とは何か
【第5回】
 刑罰論④-自由刑の諸問題
【第6回】
 刑罰論⑤-財産刑とは何か
【第7回】
 刑罰論⑥-財産刑の諸問題
【第8回】
 犯罪学①-犯罪学の誕生
【第9回】
 犯罪学②-犯罪学の父!
【第10回】
 犯罪学③-犯罪心理学・犯罪社会学の展開/サザランドの登場
【第11回】
 犯罪学④-デュルケムの発想
【第12回】
 犯罪学⑤-シカゴ学派と社会解体論
【第13回】
 犯罪学⑥-漂流理論・ラベリング論・コントロール理論
【第14回】
 犯罪学⑦-環境犯罪学
【第15回】
 秋期のまとめと試験(予定)