Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:NFL-307
環境法 I 井口 博
選択  2単位
【法学】 18-1-1210-4159-001

1. 授業の概要(ねらい)

 環境法は、さまざまな環境問題を法によって解決し、私たちが暮らしやすい環境を作り上げることを目的にしています。皆さんがどのような生活をしても、どのような仕事に就いても、必ず環境法が現れてくるでしょう。その意味で環境法はまさに「実学」の法律です。この授業では、さまざまな環境法の学習を通して、「環境法的視点」を身に付けてもらいます。法学の基礎知識がなくてもわかるように話をしますので、法学部の学生だけでなく、法学部以外の学生にとっても得るところが多いと思います。
 授業では、日常生活の中で、また仕事の中で、環境法がどのように関わってくるかを具体的に学びます。特に私が弁護士の立場でこれまでさまざまな環境問題に取り組んできた経験についても話をします。昨年好評だった「環境法○×クイズ」や「アニメの中の環境法」「物語の中の環境法」の話もします。環境についてのゲスト・スピーカーを呼んで、現場の話を聞く機会も作ります。これまでには、屋久島で環境行政を担当している職員、警察庁で環境犯罪の取り締まりをしている警察官、八王子市内で有機農業をしている起業家、フェアトレードをしているアパレル会社社長などに話をしてもらっています。また、私が弁護士として毎日さまざまな法律問題と関わっていますので、その中から皆さんが社会に出てから役に立つ法律のこともお話したいと思います。昨年度は、個人情報保護法や労働基準法について触れました。
 今年度は、参加型授業をより進めるために、毎回、次の授業のテーマについて必修のレポート課題を出します。次の授業の時に課題レポートを提出してもらい、その内容を何人かにプレゼンテーションしてもらいます。それまでの授業内容についての小テストも何回か実施します。また、毎回、感想ノートにその日の授業の感想や質問を書いてもらい、授業の後に提出してもらいます。皆さんの質問には必ず回答します。

2.
授業の到達目標

 これからの生活、仕事などさまざまな場面で現れる環境問題について、この授業で身に付けた環境法の知識と理解によって、環境問題の解決方法を自ら考えられるようにしてもらいます。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験はすべて講義内容(レジュメと資料)から出題します。配付したレジュメと資料は持ち込み可とします。成績は、期末試験(60%)、小テスト(10%)、課題レポート・プレゼンテーション等の授業受講内容(30%)で評価します。

4.
教科書・参考書

 決まったテキストは使いません。毎回、レジュメと資料を配り、それをもとにして講義します。参考書としては、交告尚史ほか『環境法入門』(第2版)、畠山武道『考えながら学ぶ環境法』、北村喜宣『プレップ環境法』をお勧めします。

5.
準備学修の内容

 課題レポートは、A4で1頁程度ですが、文献などで調べて作成してください。

6.
その他履修上の注意事項

 環境法は、常に身の回りにあります。皆さんがどのような生活をしても、どのような仕事に就いても、「環境法的視点」を忘れないようにしてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション-「環境法」とは何か(講義のみ)
【第2回】
 自然をどう守るか-自然公園法や自然環境保全法など
【第3回】
 野生生物をどう守るか-生物多様性基本法など
【第4回】
 美しい景観をどう守るか-景観法・エコツーリズム法など
【第5回】
 水、土、空気を汚さないために-大気汚染防止法など
【第6回】
 騒音・振動・地盤沈下・悪臭をどう防ぐか-騒音規制法など
【第7回】
 リサイクルの法制度-循環社会基本法など
【第8回】
 ごみをどうするか-廃棄物処理法など
【第9回】
 環境犯罪を防ぐために-環境刑法の仕組み
【第10回】
 環境犯罪の取り締まり-自治体と警察の活動の実際
【第11回】
 食べ物の安全をめざして-食品安全基本法など
【第12回】
 化学物質・有害物質をどう規制するか-化審法など
【第13回】
 日本のエネルギー問題-原子力と再生可能エネルギーに関する法制度
【第14回】
 地球温暖化をめぐって-気候変動枠組み条約など
【第15回】
 まとめと授業内試験