Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:POL-107
政治史(アジア) I 三輪 博樹
選択  2単位
【政治】 18-1-1220-4909-027

1. 授業の概要(ねらい)

 近年、インド洋、南シナ海、西太平洋などを含む「インド太平洋地域」が注目を集めるようになっています。政治史(アジア)I・IIでは、この「インド太平洋地域」の国際関係とその歴史について、インドと南アジア地域を中心に理解することを目指します。
 政治史(アジア)Iでは、新興国として注目されているインドの政治史と、インドの国内政治との関連が深いパキスタンとスリランカの政治史について講義を行います。授業の前半では、独立後のインドの政治史について、政治と社会および経済との関わりに重点を置いて説明します。後半では、パキスタンとスリランカの独立後の政治史について、テロや内戦などの紛争への対処の問題や、インドとの関係の変化などにも言及しながら説明します。

2.
授業の到達目標

 以下の2つを到達目標とします。(1)独立後のインド、パキスタン、スリランカの政治史に関して、基本的な知識を習得する。(2)各国の国内政治、社会構造、経済状況などが、それぞれの国の外交政策にも大きな影響を与えているということを理解する。

3.
成績評価の方法および基準

 授業への参加度および貢献度(不定期に行う小テストの結果も含む)(30%)と、期末試験の結果(70%)を合わせて評価します。

4.
教科書・参考書

 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、以下の文献を参考書とします。
 堀本武功・三輪博樹 編『現代南アジアの政治』(放送大学教育振興会、2012年)。
 関口真理 他『改訂版 インドのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社、2015年)。

5.
準備学修の内容

 第1回目の授業のときに、各回の授業内容の詳細について説明します。また、各回のレジュメや関連資料は当該回の前の週に配布しますので、事前にこれらのレジュメや資料を読み、疑問点などを明らかにしておいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 「政治史(アジア)I」と「政治史(アジア)II」を続けて履修することをおすすめしますが、この科目だけを履修した場合でも内容が理解できるように配慮します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:インドと南アジア地域をどのように理解するか
【第2回】
 インド(1):インドの政治制度、インドの民主主義をめぐる議論
【第3回】
 インド(2):統治をめぐるイデオロギーの対立と、その歴史的経緯
【第4回】
 インド(3):カースト制度とは何か、カースト制度がインドの政治に及ぼしてきた影響
【第5回】
 インド(4):イスラム教とヒンドゥー教、宗教がインドの政治に及ぼしてきた影響
【第6回】
 インド(5):インドにおけるアイデンティティ政治、その政党政治に対する影響
【第7回】
 インド(6):独立後の経済政策の変化、経済自由化のもたらした影響
【第8回】
 インド(7):2000年代以降のインド政治、アイデンティティ政治かガバナンスか
【第9回】
 パキスタン(1):独立後のパキスタンの政治史
【第10回】
 パキスタン(2):2000年代以降のパキスタン政治、テロとの戦い
【第11回】
 インド=パキスタン関係史:カシミール地方をめぐるインドとパキスタンの対立
【第12回】
 スリランカ(1):独立後のスリランカの政治史
【第13回】
 スリランカ(2):民族紛争の勃発から終結まで
【第14回】
 インド=スリランカ関係史:スリランカの民族紛争にインドはどう関わったか
【第15回】
 授業のまとめと期末試験