Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:POL-108
政治史(アジア) II 三輪 博樹
選択  2単位
【政治】 18-1-1220-4909-028

1. 授業の概要(ねらい)

 近年、インド洋、南シナ海、西太平洋などを含む「インド太平洋地域」が注目を集めるようになっています。政治史(アジア)I・IIでは、この「インド太平洋地域」の国際関係とその歴史について、インドと南アジア地域を中心に理解することを目指します。
 政治史(アジア)IIでは、独立後のインドの外交政策の変化、インドと中国、米国、日本との関係、インドと南アジアの近隣国との関係、南アジアにおける地域協力、南アジア地域と東南アジア諸国および中東諸国との関係について講義を行います。そして、これらの講義内容をふまえて、インドと南アジア地域から見た「インド太平洋地域」の国際関係の概要、これまでの歴史、今後の見通しなどをまとめたいと思います。

2.
授業の到達目標

 以下の2つを到達目標とします。(1)インド太平洋地域の国際関係史について、南アジア各国の国内政治や、インドと南アジアの近隣国との関係なども含めて全体的に理解する。(2)各国の国内政治、社会構造、経済状況などが、それぞれの国の外交政策にも大きな影響を与えているということを理解する。

3.
成績評価の方法および基準

 授業への参加度および貢献度(不定期に行う小テストの結果も含む)(30%)と、期末試験の結果(70%)を合わせて評価します。

4.
教科書・参考書

 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、以下の文献を参考書とします。
 堀本武功・三輪博樹 編『現代南アジアの政治』(放送大学教育振興会、2012年)。
 堀本武功『インド 第三の大国へ』(岩波書店、2015年)。

5.
準備学修の内容

 第1回目の授業のときに、各回の授業内容の詳細について説明します。また、各回のレジュメや関連資料は当該回の前の週に配布しますので、事前にこれらのレジュメや資料を読み、疑問点などを明らかにしておいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 「政治史(アジア)I」と「政治史(アジア)II」を続けて履修することをおすすめしますが、この科目だけを履修した場合でも内容が理解できるように配慮します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:インド太平洋地域の国際関係をどのように理解するか
【第2回】
 独立後インドの政治史:カースト、宗教、経済政策との関わり
【第3回】
 独立後インドの外交政策:非同盟外交から全方位連携外交へ
【第4回】
 印中関係:戦後の印中関係史、台頭する中国に対するインドの政策
【第5回】
 印米関係:戦後の印米関係史、中国の台頭との関わり
【第6回】
 日印関係:戦後の日印関係史、中国の台頭との関わり
【第7回】
 インドと近隣諸国(1):インド=パキスタン関係とインド=スリランカ関係のまとめ
【第8回】
 インドと近隣諸国(2):バングラデシュの政治史とインドとの関係
【第9回】
 インドと近隣諸国(3):ネパールの政治史とインドとの関係
【第10回】
 インドと近隣諸国(4):ブータンおよびモルディヴの政治史とインドとの関係
【第11回】
 南アジアの地域協力:南アジア地域協力連合(SAARC)の歴史と現状
【第12回】
 南アジアと東南アジア:東南アジア諸国との経済関係、南シナ海問題へのインドの関わり
【第13回】
 南アジアと中東諸国:イランやアフガニスタンとの関係
【第14回】
 インド太平洋地域:インドと南アジア地域から見た国際関係史
【第15回】
 授業のまとめと期末試験