Web Syllabus(講義概要)

　この世界にはどのような「存在」があるのか。そして、近代以降、私たちが用いてきているテクノロジーの時間とはどのようなもので、それ以外にどのような「時間」があるのだろうか。AI（人工知能）が注目される今日、私たちはスマートフォンや腕時計で時間を確認しているが、川の流れや花の開花など自然や生きものからも時間の変化を感じ取っている。いったい、人が自ら世界を把握する営みには機械に真似できない、いかなる特徴があるのだろうか。
　日本が誇る思想家、西田幾多郎、夏目漱石からミヒャエル・エンデ（『モモ』）、ハイデガー、アインシュタイン、レヴィ＝ストロース（『野生の思考』）など世界の思想家にも学びながら、生命と文化の豊かな世界を再発見していこう。
　存在と時間への問いから出発し、自然、生きものに特有の生命の時間、人に特有の文化の時間を見出し、文化の時空を導く。その先には思いがけない未知の世界が広がっている。
　「文化の時空」をめぐる思索の旅に分け入ろう。

　思想への柔軟な視座を養い、講義・教科書の内容をふまえて自身の思考を展開し、内容の深い考察を1000字相当でまとめる思考力、文章表現力を身につける。

　出席、授業内期末試験により総合評価
　　＊期末試験テーマは最終講義日2週間前に発表予定

　教科書『日本十二支考　文化の時空を生きる』（濱田陽、中央公論新社、2017年1月刊）
　　＊授業、期末試験で携帯し、秋学期の近代思想Ⅱでも引き続き使用する。

　教科書・講義内容を予習・復習する。

　「時空」をテーマに様々な思想にふれていくので時間をかけて一歩一歩理解を深めていって欲しい。