Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:PHE-201
日本文化と哲学 I 濱田 陽
選択  2単位
【日本文化】 18-1-1310-0430-007

1. 授業の概要(ねらい)

 本授業では、日本及び世界において新たな問題提起を投げかける多様な映像、小説、哲学的書物に同時並行的にふれていく。
 講義は毎回、数種類の作品に接するよう組み立てられる。優れた作品内容と自身の考察を簡潔にまとめる学びを継続、蓄積することで、日本文化と人間文化を哲学的に考察する文化学の基本姿勢を身につける。
 この授業では人間文化を自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるものの五つの存在と人の関係から生じるものとしてとらえる。受講者は自らの人としての存在を問い直しながら、どのような存在関係によって日本文化を受けとめるかについて思索を重ねていくことになる。
 春学期では、人、社会、文化、文明が矛盾を抱え、限界に行き着いた後、各存在において新たな関係性が獲得されることによって復活に至るという広い意味での「死と再生」のテーマに取り組んでいく。

2.
授業の到達目標

 日本文化と人間文化への多角的な視座を養い、授業内容を適切に解説しながら自身の考察をまとめることのできる思考力、文章表現力を身につける。

3.
成績評価の方法および基準

 出席、授業内期末試験により総合評価
  *期末試験テーマは最終講義日2週間前に発表予定

4.
教科書・参考書

 必要な資料は講義中で配布

5.
準備学修の内容

 配布資料の予習と講義内容の復習

6.
その他履修上の注意事項

 主体的にノートを取り、内容理解を深めていくこと。
 *社会状況、国際情勢の変化に対応し、新しい映像、小説、哲学的書籍を積極的に取り入れていくため、以下の授業内容・順序は入れ替わり、また、互いに重なることがある。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 五つの存在(自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの)の関係から人間文化の定義、及び日本文化の受けとめ方について考察する(1)
【第2回】
 五つの存在(自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの)の関係から人間文化の定義、及び日本文化の受けとめ方について考察する(2)
【第3回】
 カズオ・イシグロ作品(『遠い山なみの光』『浮世の画家』『日の名残り』『わたしを離さないで』『忘れられた巨人』等)の問題提起から閉じられた世界と再生への糸口について考察する(1)
【第4回】
 カズオ・イシグロ作品(『遠い山なみの光』『浮世の画家』『日の名残り』『わたしを離さないで』『忘れられた巨人』等)の問題提起から閉じられた世界と再生への糸口について考察する(2)
【第5回】
 今後の日本文化が抱える困難と課題、及び未来の可能性についてユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』の問題提起から考察する(1)
【第6回】
 今後の日本文化が抱える困難と課題、及び未来の可能性についてユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』の問題提起から考察する(2)
【第7回】
 日本文化の脆弱性、反脆弱性についてナシーム・ニコラス・タレブの『反脆弱性』(アンチ・フラジャイル)の問題提起から考察する(1)
【第8回】
 日本文化の脆弱性、反脆弱性についてナシーム・ニコラス・タレブの『反脆弱性』(アンチ・フラジャイル)の問題提起から考察する(2)
【第9回】
 アニメーション作品『この世界の片隅に』を通じて失われた世界と再生の希望について考察する(1)
【第10回】
 アニメーション作品『この世界の片隅に』を通じて失われた世界と再生の希望について考察する(2)
【第11回】
 日本文化における統制の問題と自由の可能性についてジョージ・オーエル作品(『一九八四年』)の問題提起を通じて考察する(1)
【第12回】
 日本文化における統制の問題と自由の可能性についてジョージ・オーエル作品(『一九八四年』)の問題提起を通じて考察する(2)
【第13回】
 人、社会、文化の「死と再生」について総合的に考察する
【第14回】
 試験テーマ解説
【第15回】
 全体講評、授業内期末試験