Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:
教育実践リフレクション I 鈴木 康仁
必修  2単位
【教職大学院】 18-1-1331-4681-008

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、少人数グループ編成のもと、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 コア・リフレクション、プロセスレコード、ALACTモデル、授業記録等のリフレクションの手法を取り上げ、その意義や手法について理解を深めるとともに、教育実習の進行に合わせて実際のリフレクションに取り組む。
 リフレクションを通じて、児童生徒の学びの様態や学習成果と自己の指導行為との関係を考えたり、分析したりして、児童生徒理解と、指導・評価の在り方についての理解を深め、実践力向上に資するようにする。
 また、学習の成果が、教育実習に反映できるように、実践記録の取り方や実習ノートとの関連を図りながら進めていく。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・リフレクションの意義・手法を理解し、それを生かして自己の教育実習における実践場面をリフレクションし、実践力を向上させていくことができる。
  ※上級生は、それまでの実習経験等を踏まえ、リフレクション技法の習熟を深めるとともに、反省的実践家を志向した教育実習・実践ができるようにする。
 <B類学生>
  ・リフレクションの意義・手法を理解し、これまでの自己の実践をリフレクションし、実践力や課題探求力を向上させるとともに、A類学生のリフレクションについて指導助言することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 リフレクションの実際(20%)、レポート・まとめ(60%)、グループワーク等(20%)を参考にして総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  ・F・コルトハーヘン『教師教育学』(学文社 2010)
  ・臨床教育人間学会『リフレクション』(東信堂 2007)
  ・日本教育方法学会編『日本の授業研究』上・下巻(学文社 2009)
 など、授業で必要に応じて紹介する。

5.
準備学修の内容

 各自の教育実践、教育実習に対するリフレクションの記録を実習ノート等に、継続的に記録すること。

6.
その他履修上の注意事項

 リフレクションの意義や手法を、理論と実践から理解し、省察的な教師を目指すことを期待する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
<自己を見つめる>求められる教師像と教師の役割
①実習計画の立案
②教師の成長とリフレクションの意義(講義)
③グループ討議
 ・自己の学びの原風景(小学校から高校までの経験)を振り返り、自分はどのような教師像を理想としているか明らかにしつつ、教師の役割についてディスカッションする。
 ・A類学生は、自分の学生時代の経験を中心に、どのような教師を目指したいかを考察する。
 ・B類学生は、自分の教師としての経験にも触れながら、理想の教師像をどのようにイメージし、どのように教育実践に取り組んできたかを振り返り、認識を深める。
【第2回】
<自己を見つめる>教育観・指導観を見つめる
①イメージ・カードを使って振り返る(講義・演習)
②グループ討議(実習に対する目標を立てる)
【第3回】
<自己を見つめる>教師としての自己、教師を目指す自己を見つめる。
①自己の強みに焦点を当てる(講義・演習)。
②グループ討議(自己の強みをどう生かすか)
【第4回】
<自己をを見つめる>演ずることを通じて自己を見つめる。
①演劇リフレクション(講義・演習)。
 ※ゲスト・ティーチャーを外部より招へいする。
②グループ討議(実習の振り返り)
【第5回】
<教育環境・行為を見つめる>子供の学びとリフレクション
①子供が学ぶとはどういうことか(講義・演習)
②グループ討議(子供が学ぶことの意味を考える)
【第6回】
<教育環境・行為を見つめる>教師の言葉・ふるまいとリフレクション
①子供の自己肯定感と教師の言葉・ふるまいとの関係を考える(講義・演習)。
②グループ討議(実習の振り返り)
【第7回】
<教育環境・行為を見つめる>教育実践リフレクション
①学校・教室・教育実践にみられる探究課題を検討する。
②グループ討議(実習の振り返り)
【第8回】
<技法の習得と実践>リフレクションの方法を学ぶいⅠ
①実習記録の取り方(プロセスレコード)とリフレクション。
②グループ討議(実習記録の書き方について振り返る)
 ・B類学生は、メンターとしての役割も果たせるよう、A類学生のリフレクションについて指導助言を行い、その能力を高める。
【第9回】
<技法の習得と実践>リフレクションの実際①
①実習記録を活用したリフレクション技法の習熟を図る。
②グループ討議(後半の実習について見通しと計画を立てる) 
【第10回】
<技法の習得と実践>リフレクションの方法を学ぶⅡ
①ALACTモデルによるリフレクションを理解し、その方法を身につける(講義・演習)。
②グループ討議(実習の振り返り)
【第11回】
<技法の習得と実践>リフレクションの方法を学ぶⅢ
①実技系教科の授業記録の作成・分析及び実習ノートを活用した日常的なリフレクションを理解し、その手法を身につける(講義・演習)。
②グループ協議(実習の振り返り)
【第12回】
<技法の習得と実践>リフレクションの実際②
①実習記録、ALACTモデル、授業記録を活用したリフレクションに取り組み、その技法の習熟を図る。
【第13回】
<まとめ>リフレクション・ラウンドテーブル②
①リフレクション・ラウンドテーブルを通じて、自己の成長を振り返る。
 ・A類学生は、実習で行った授業実践の記録、実習ノートを活用したリフレクションを行い、自己の成長や今後の課題を明らかにする。
 ・B類学生は、A類学生にリフレクションを促したり、助言したりできるようにする。
【第14回】
<まとめ>リフレクション・ラウンドテーブル②
①リフレクション・ラウンドテーブルを通じて、自己の成長を振り返る。
 ・A類学生は、実習で行った授業実践の記録、実習ノートを活用したリフレクションを行い、自己の成長や今後の課題を明らかにする。
 ・B類学生は、A類学生にリフレクションを促したり、助言したりできるようにする。
【第15回】
<まとめ>
 ・リフレクションを通じて得られた自己の成果・課題及びリフレクションの効果的な手法についてまとめ、報告する。