Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ESS-403
算数科教育特論 清水 静海
選択  2単位
【初等教育】 18-1-1333-1851-005

1. 授業の概要(ねらい)

 小学校算数科に焦点を当てて、まず、教科の目標、教育内容の構成原理、授業計画の作成、学習指導の方法及び学習評価の在り方について基本的なことを確認する。次いで、2017年公示小学校学校学習指導要領(2020年4月完全実施)のポイントを、現行学習指導要領(2008年公示)と対比しながら、教育の目標及び方法の視点から整理する。さらに、これらを踏まえて、算数科で期待されていることを明らかにし、授業改善の視点を整理し、それに基づいて、いくつかの単元について学習指導計画(学習指導案)を作成する。最後に、可能であれば、帝京大学小学校で、TTによる授業実践を実施し、改善学習指導計画を作成しつつ、算数科の授業改善のポイントを明らかにする。

2.
授業の到達目標

 小学校算数科の教育を進める上で必要な基礎的素養を身につける。具体的には以下の通り。
 ①小学校算数科について、その目標、内容及び方法などの視点から、理解している。
 ②2008年改訂の現行小学校学習指導要領に基づく算数科の目指すところと対比しながら2017年公示学習指導要領が目指す算数科の教育のポイントを理解している。
 ③①、②を踏まえ、小学校算数科の学習指導計画(学習指導案)を作成することができる。
 ④模擬授業(授業)の結果を踏まえて、改善学習指導計画を作成することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 2の①~④にかかわることについて、授業中における「振り返り(感想)」、レポート(数回)と試験により総合的に評価する。おおむね、「振り返り(感想)」20%、レポート30%、試験50%で評価する。

4.
教科書・参考書

 『2008年改訂小・中学校学習指導要領及びその解説の算数、数学編』(文部科学省、2008)、『2017年改訂小・中学校学習指導要領及びその解説の算数、数学編』(文部科学省、2018)は必ず購入すること。その他は、プリント等を準備したり、参考文献を適宜紹介したりする。

5.
準備学修の内容

 中央教育審議会答申(H29.12.21)及び同教育課程部会算数・数学科ワーキンググループの審議のまとめ(H28.8.26)を文部科学省ホームページよりダウンロードし、読んでおくこと。また、小学校の算数科教科書を読んでおくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 数回のレポートの提出については、レポート・テーマについて配布資料、講義、及び参考文献等を参照してまとめることになる。原則として、個人またはグループによるレポート発表を参考にして改善レポートを提出することを義務づける。提出期限を厳守すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション、小学校算数科の教育の意味と必要性
【第2回】
 小学校算数科の教科目標の変遷を社会的背景に視点をおいて辿る。
【第3回】
 2008年改訂と2017年改訂の小学校学習指導要領を対比し、これからの算数科の授業改善における課題を、教育内容の視点から検討する。
【第4回】
 2008年改訂と2017年改訂の小学校学習指導要領を対比し、これからの算数科の授業改善における課題を、数学的活動の充実の視点から検討する。
【第5回】
 第4回までの学習を踏まえて、3~4グループに別れ、各グループで授業改善を検討する単元を2ずつ選択する。その際、内容領域間のバランスをとる。
【第6回】
 小学校算数科の授業の設計(学習指導計画・学習指導案)の方法について検討し、各班で選択した単元について、単元の指導計画(評価規準の設定及び評価計画の作成を含む)を作成し、授業を実践する単位時間を確定する。
【第7回】
 学習指導案の検討(1)
【第8回】
 学習指導案の検討(2)
【第9回】
 模擬授業とその検討(1)
【第10回】
 模擬授業とその検討(2)
【第11回】
 模擬授業とその検討(3)
【第12回】
 改善学習指導案の提案と検討(1)
【第13回】
 改善学習指導案の提案と検討(2)
【第14回】
 小学校算数科の授業改善のポイントについてまとめたレポートの発表と討議(1)
【第15回】
 小学校算数科の授業改善のポイントについてまとめたレポートの発表と討議のまとめとテスト