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授業の概要(ねらい) |
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近年の社会変化を受けて、小学校高学年では2020年度から英語が教科化されることとなった。さらに中学年では活動型の導入、低学年でも英語による活動が行われる傾向が強くなっており、小学校教員にとって英語活動の指導方法を身に付けるのが急務といえる。また、これまで「英語嫌いを起こさないように」との観点から避けられてきた、文字の読み書きも高学年で導入されることになった。これより、英語のコミュニケーションや音声を中心に扱ってきた従来の英語活動に加え、読み書きも含めた4技能の習得にわたる英語活動の知識と実践が求められる。 本授業では、小学校における「英語活動」についてその制度と理論、指導方法を概観する。具体的には、学年ごとの達成目標や年間の指導計画、新学習指導要領に対応した授業実践について学ぶ。さらに、子どもにとって楽しくかつ効果的に取り組める歌、チャンツ、ゲームなどの活動実践についても学び、制度や理論を踏まえた授業づくりについて考える。活動実践については、実際の授業場面を想定した指導練習やグループワークによる体験を行う。最終的には、学習指導要領や年間指導計画、授業の目的を踏まえた指導案を自ら作成する。指導案についてはフィードバックを行い、授業づくり及び授業改善を行う視点を養う。
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2. |
授業の到達目標 |
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・学習指導要領に対応した英語活動・教科の位置づけや目標、英語学習の理論と実践を理解し習得する。 ・「英語活動」に必要な英語による指示語・英単語、歌、チャンツやゲーム等の活動を身に付ける。 ・学習指導要領や授業の目的を踏まえた指導計画や目標に基づき、指導案を作成する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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予習テスト&復習課題(20%)、指導案(50%)、レポート課題(30%)
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト: 『新編小学校英語教育法入門』 研究社 『Hi,friends!1』 文部科学省 『Hi,friends!2』 文部科学省 参考文献: 『小学校英語の教育法 理論と実践』 アレン玉井光江 大修館書店
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5. |
準備学修の内容 |
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・授業内で扱える内容には限りがあるため、予習と復習内容を指定する。予習としては、毎回指定された教科書のページに目を通し、不明な用語について調べておくこと。指導案作成及びフィードバック以外の授業で、毎回予習テストを行う。復習としては、その日の授業内容について応用・発展的な課題を出すので、次回授業で提出すること。 ・日常生活で目にするもの(文具類、生活用品、動物、食品、スポーツ、遊び、など)や日常的な行動(走る、配る、集める、記入する、など)などを英語で表現できることが必須である。指導案の作成においても、具体的な指示内容についてイメージできるよう、日々の生活において英語を意識し、自ら単語力をつけたり、中学・高校レベルの基礎的な文法事項を復習すること。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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小学校における英語活動実践の必要性が高まったことで、現在様々な指導方法や教材の開発が進んでいる。本授業には、それらの指導方法の流れや実施方法、学習指導要領上の位置づけを理解していて、授業ごとの目的や目標に応じて適切な方法を選択でき、かつ効果的に実践できる指導者となることを目標に励んでもらいたい。また、授業では、実際に活動を体験したり、グループワークによる取り組みを行う場面があるため、受け身にならず、積極的に授業に参加することを望む。 より具体的な授業実践については、秋期の「小学校・英語活動指導法」で取り扱う。秋期の講義の履修を希望する学生は、本講義を履修しておくことが望ましい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション、言語習得理論 | 【第2回】 | 外国語教育の目的と目標及び意義、指導者の役割と資質、研修 | 【第3回】 | 教材の構成と内容 | 【第4回】 | 指導目標、年間指導計画 | 【第5回】 | 言語材料と4技能の指導 | 【第6回】 | 教材研究①歌、チャンツ、ライム | 【第7回】 | 教材研究②コミュニケーション、自己表現、国際理解 | 【第8回】 | 指導方法と指導技術 | 【第9回】 | 教材・教具の活用法:パペット、模型、写真、絵カード、マルチメディア教材 | 【第10回】 | 学習指導案の作り方、評価の在り方、進め方 | 【第11回】 | 授業づくり:事前準備から振り返りまで | 【第12回】 | 指導要領・年間指導計画・目的を踏まえた指導案作成 | 【第13回】 | 指導案検討、フィードバック1 | 【第14回】 | 指導案検討、フィードバック2 | 【第15回】 | まとめ(外国語活動の成果と課題) |
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