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授業の概要(ねらい) |
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本授業では、小学校での授業展開を考える上で必要となる理論と実践を取り扱う。理論としては、英語活動を通して習得することが求められる項目や、それぞれの内容を子どもがどのように習得していくのか、そしてその習得を促すうえで効果的な指導方法とはなにかを学ぶ。実践としては、理論によって学んだ内容を授業として実現する手立てについて学び、指導案の作成等を通して習得することを目指す。理論と実践が一人の指導者の中で両立することで、目標に応じた適切な指導方法や教材を選択し、実践することが可能となるため、本授業では目的や学習事項に対してどのような背景があり、その結果どのような指導内容・方法や教材を選んだか、という観点を重要視する。また、春期の「小学校・英語活動概論」が指導要領上の位置づけなど制度との関連をふまえて英語活動を概観したことに対し、本講義は英語を学習する子どもの特性との関連を中心に進めていく。具体的には、各学習事項・内容の習得理論を中心に学んだあと、その理論に基づく英語活動(歌・チャンツ・ゲーム・プリント教材等)を概観する。基本的な流れや実施方法を理解したところで、実際の授業展開について考え、指導案の作成につなげる。作成した指導案についてはフィードバックを行い、目的に基づいた根拠ある英語活動の実施について考える。
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2. |
授業の到達目標 |
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・英語学習の理論と実践を把握し、目的や目標、子どもの言語習得理論を踏まえた根拠ある指導方法や教材、活動の流れを考えられるようにする。 ・実際に指導案を作成し、英語活動の計画を立てられるようにする。 ・小学校での英語体験を通じて、「何ができるようになるのか」を実感できるようにするなど、児童に英語学習に向けてのモチベーションを与えるような活動内容を理解し指導できるようにする。 ・簡単な英語の歌やゲーム、教材、教具など、授業づくりに生かせる材料について知る。
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成績評価の方法および基準 |
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授業内容の予習テスト&復習課題(20%)、指導案(40%)、確認テスト(40%)
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教科書・参考書 |
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テキスト: 『小学校英語の教育法 理論と実践』 アレン玉井光江 大修館書店 『Hi,friends!1』 文部科学省 『Hi,friends!2』 文部科学省
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準備学修の内容 |
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・授業内で扱える内容には限りがあるため、予習と復習内容を指定する。予習としては、毎回指定された教科書のページに目を通し、不明な用語について調べておくこと。指導案の作成以外の授業で、毎回予習テストを行う。復習としては、その日の授業内容について応用・発展的な課題を出すので、次回授業で提出すること。 ・日常生活で目にするもの(文具類、生活用品、動物、食品、スポーツ、遊び、など)や日常的な行動(走る、配る、集める、記入する、など)などを英語で表現できることが必須である。指導案の作成においても、具体的な指示内容についてイメージできるよう、日々の生活において英語を意識し、自ら単語力をつけたり、中学・高校レベルの基礎的な文法事項を復習すること。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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小学校における英語活動実践の必要性が高まったことで、現在様々な指導方法や教材の開発が進んでいる。本授業には、それらの指導方法の流れや実施方法について、子どもの発達や言語習得の段階に応じて適切な方法を選択でき、かつ効果的に実践できる指導者となることを目標に励んでもらいたい。また、授業では、実際に活動を体験したり、グループワークによる取り組みを行う場面があるため、受け身にならず、積極的に授業に参加することを望む。本講義の履修を希望する学生は、春期の小学校・英語活動概論を履修していることが望ましい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション | 【第2回】 | 世界の外国語学習事情・日本の小学校英語活動の背景と現状 言語習得理論 | 【第3回】 | 代表的な教授法、授業活動、教室運営、言語選択(Classroom English) | 【第4回】 | スピーキングとリスニング、音声言語発達 | 【第5回】 | スピーキングとリスニングの活動実践(TPR、歌やチャンツを使った活動等) | 【第6回】 | 読み書き能力の発達と指導実践 | 【第7回】 | 読み書き習得の活動実践(アルファベット学習、音韻意識、フォニックス、ローマ字との関連) | 【第8回】 | 語彙と文法の習得理論 | 【第9回】 | 語彙と文法習得の活動実践(かるた取りやジェスチャーゲーム等) | 【第10回】 | 英語活動の目標・測定・評価 | 【第11回】 | 学習指導要領、指導案の作成 | 【第12回】 | 指導案の共有とフィードバック1 | 【第13回】 | 指導案の共有とフィードバック2 | 【第14回】 | 確認テスト | 【第15回】 | まとめとフィードバック |
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