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授業の概要(ねらい) |
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教育心理学においては実験、観察、調査、検査などの手法を用いて研究がなされますが、そこで得られるデータの多くは統計的に分析されます。本講義では教育心理学研究において得られるデータの統計的な分析手法について、具体的な事例を用いながら基礎からわかりやすく解説します。 本講義は、以下のいずれかまたは両方に該当する学生を対象としています。 第一は、認定心理士の資格取得を志す学生です。「教育心理学研究法 I 」および本講義は認定心理士の資格取得のための必修科目となっています。内容的にも、同じく認定心理士資格取得の必修科目である「教育心理学実験 I・II(2年次開講)」を受講する上で必要な知識を含んでいます。 第二は、3年次の教育学演習や4年次の卒業研究において実験や調査などを実施してデータを得て、それを統計的に分析して客観的な結論を出したいと考えている学生です。そうした実証研究を行う上で必要な知識を解説します。 授業の形式としては、まず具体的な事例を通して分析手法の原理を学び、その上で分析練習を行うというやり方をとります。分析練習を行う際の数値計算は、電卓およびパソコン(Excel)を用いて行います。電卓はスマホのアプリで十分です。Excelの操作は基本的なレベルで対応できます。統計分析の基礎をしっかりと固めることを目指して、まず電卓で分析手順とその意味を一つひとつ確認していきます。次にExcelで実践的な分析手順を学びます。
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授業の到達目標 |
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教育に関わって生じる様々な心理的な現象や問題について、恣意や独断や偏見を排して科学的にデータを収集し考察する態度、データ分析の基礎知識と実践的技能を身につける。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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期末テスト(30%)、課題提出(40%)、平常点(30%)を総合して評価します。 学期末試験は,自作まとめプリント1枚持ち込み可。課題は分析課題の実施。平常点はコメント用紙の記述。
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4. |
教科書・参考書 |
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配布プリントを教材として用います。 参考文献は授業中に指示します。
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準備学修の内容 |
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教材の指定箇所を読んでおくこと。 課題は必ずやること。
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その他履修上の注意事項 |
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1)授業はパソコン室(デスクトップPC設置)で行いますが、パソコンの台数に制限があるため、履修制限(56名)を設けます。履修制限をする際の優先順位は、①初回授業出席者、②教育心理学研究法Ⅰを履修済みの人、③認定心理士の資格取得希望者とします。あらかじめご了承下さい。 2)WFS(Web File Server)からの課題データのダウンロードと課題分析結果のアップロードが必要になります。教育心理学研究法Ⅰを履修済みでない人やWFSを使ったことのない人については別途指導します。 3)統計分析の学習は積み上げが大切です。度重なる欠席は致命的となります。 自己都合の欠席の上限は3回までとします。公欠で休む場合も自己都合欠席とあわせて上限5回 までとします。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 度数分布① 質的データの度数分布 | 【第2回】 | 度数分布② 量的データの度数分布 | 【第3回】 | 度数分布③ Excelを用いた分析 | 【第4回】 | 代表値と散布度① 基礎事項の解説 | 【第5回】 | 代表値と散布度② Excelを用いた分析 | 【第6回】 | 基準化と基準値・偏差値① 基礎事項の解説 | 【第7回】 | 基準化と基準値・偏差値② Excelを用いた分析 | 【第8回】 | 相関分析① 基礎事項の解説 | 【第9回】 | 相関分析② Excelを用いた分析 | 【第10回】 | 無相関検定① 基礎事項の解説 | 【第11回】 | 無相関検定② Excelを用いた分析 | 【第12回】 | 無相関検定③ 実践的演習 | 【第13回】 | 平均値の差の検定① 基礎事項の解説 | 【第14回】 | 平均値の差の検定② Excelを用いた分析 | 【第15回】 | 補足とまとめ |
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