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授業の概要(ねらい) |
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本授業は、教職課程に位置づく科目の一つである(「道徳の理論及び指導法」)。道徳の意義や根本原理についての探究、また、学校教育における道徳教育の位置づけ・道徳科の目標・内容等についての理解、そして、教材研究や学習指導案の作成、模擬授業とその考察を通して、道徳指導に必要な実践的指導力を身につけることをねらいとする。 一般目標は、以下の二点である。 (1)道徳の理論: 道徳の意義や原理等をふまえ、学校における道徳教育の目標や内容を理解する。 (2)道徳の指導法: 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育およびその要となる道徳科における指導計画や指導方法を理解する。
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2. |
授業の到達目標 |
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(1)道徳に関わる社会問題等の事例考察や理論的理解を通して、道徳教育をめぐる問題構造を捉える。 (2)学校における道徳教育の特質を理解し、「道徳」の学習指導要領上の位置づけについて説明できる。 (3)「道徳」の学習指導案作成を通して、授業設計上の視点を身に付ける。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業参加度=リアクション・ペーパーの提出(40%)、課題レポート=学習指導案の作成(30%)、および筆記試験の成績(30%)に基づき、総合的に判断する。
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4. |
教科書・参考書 |
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〈テキスト〉貝塚茂樹・関根明伸編著『道徳教育を学ぶための重要項目100』(教育出版、2016年), 文部科学省『中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』 *1 その他、授業で参考文献を提示する。また、プリントを配布するのでファイルを準備すること。 *2 学習指導要領解説や中教審答申等、ウェブからダウンロードしておくこと。
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5. |
準備学修の内容 |
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(1)「道徳」授業の教材(道徳的課題=社会問題)となりうる読み物資料や新聞記事などを日頃からチェックし、スクラップするクセをつけること。 (2)授業で配布する「参考文献リスト」をもとに、本授業の内容に関連する文献を読み進めること。 (3)学習指導案の作成にはいろいろな文献を読み、先行事例に書き方を学ぶ必要がある(毎年、受講学生はここで苦労している)。積極的に図書館を活用し、参考文献にあたること。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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(1)毎回の授業でリアクション・ペーパーの作成など課題が出る。積極的に授業に参加し、自らの意見を提示しなければ成績に反映しないと心得よ。 (2)指導方法・技術のみを鍛えても、すぐれた道徳の授業はできない。真に授業の出来を左右するのは、授業者がもつ「教養」(知識・思考)の質である(「内容なくして方法なし」)。それを確保するためにも、読書を通した自主的な学びを進めること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション―受講にあたっての注意、「道徳」授業の記憶と議論 | 【第2回】 | 「道徳」「道徳教育」をめぐる根本的検討 | 【第3回】 | 課題レポート(学習指導案)の書き方―主題・教材・指導計画について | 【第4回】 | 学校の教育課程における道徳教育および道徳科の位置づけ | 【第5回】 | 教育の歴史からみる道徳教育の課題 | 【第6回】 | 道徳的課題の吟味と教材研究(その1)―読み物教材の課題 | 【第7回】 | 子ども理解と道徳性の発達 | 【第8回】 | 道徳の指導法を考える(その1)―教材解釈の方法 | 【第9回】 | 道徳の指導法を考える(その2)―「考え、議論する道徳」への創意工夫 | 【第10回】 | 道徳の指導法を考える(その3)―学習評価のあり方について | 【第11回】 | 道徳的課題の吟味と教材研究(その2)―いじめ問題に向き合う | 【第12回】 | 道徳的課題の吟味と教材研究(その3)―ルール、情報モラルについて | 【第13回】 | 学習指導案・実践例の検討(その1)―学習指導案の講評と相互批評 | 【第14回】 | 学習指導案・実践例の検討(その2)―模擬授業と相互批評 | 【第15回】 | 全体のふり返り・まとめと評価 (※受講生の人数や問題意識に応じて、授業内容を柔軟に変更することがある。) |
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