Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ESS-305
社会科・公民科教育法 I 佐藤 高樹
教職  2単位
【教職】 18-1-1334-1849-006

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、中等社会系教科(社会科・公民科)の指導の理論と方法について実践的に学ぶことを通して、当該教科を担当する教職としての専門的力量を身に付けていく。
 とりわけ、次の二点を主眼とする。
 (1)社会科・公民科の目標及び内容:学習指導要領に示された当該教科の目標や内容を理解する。
 (2)社会科・公民科の指導方法と授業設計:基礎的な学習指導理論を理解し、具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付ける。
 ※本授業は、教育職員免許法施行規則に定める教職に関する科目(「教育課程及び各教科の指導法に関する科目」)である。中学社会、高校公民の免許取得を希望する者にとっては必修である。

2.
授業の到達目標

 (1)学習指導要領を読み、その内容(社会科・公民科の目的、内容項目・指導方法など)に依拠しつつ、単元設定の理由や授業実践の「ねらい」について論理的に説明できる。
 (2)社会科・公民科(社会系教科)の授業構成に関わる理論的知識・視点を獲得し、それを活用しつつ教科内容・教材・授業実践のあり方について論じることができる。
 (3)授業展開が十分具体的といえる、社会科・公民科の学習指導案(細案)を作成できる。

3.
成績評価の方法および基準

 学習指導案(2回)、宿題、授業への参加状況[リアクション・ペーパーの提出、プレゼン、議論への参加]に基づいて総合的に判断する。

4.
教科書・参考書

 ・文部科学省『中学校学習指導要領解説 社会編』、同『高等学校学習指導要領解説 公民編』
 ・中学校社会科教科書(公民的分野)、高等学校公民科教科書(現代社会)
 (※詳細は、初回授業時に指示する。)

5.
準備学修の内容

 (1)(下記「授業の計画」にもあるようにさっそく)プレゼンをさせるので、受講前の段階から社会科・公民科に関する知識・情報収集(=教材研究)を行い、また、説明方法(資料や視聴覚メディアの活用方法)に関する学習を進めておくこと。
 (2)課題の提出には、参考文献を読むことが欠かせない。図書館で参考文献や教育雑誌(論文記事)を頻繁に探すクセをつけること。

6.
その他履修上の注意事項

 (1)理由なく欠席した学生は、その時点で本授業を受ける資格を失うので注意すること(諸事情で出席できない場合は、前もって教員に連絡すること。研究室:10号館1階研113、メールアドレスなどは大学公式ウェブサイトの教員紹介ページを確認)。
 (2)教科に関する知識(内容)なくして、指導法(方法)はありえない。学力がないのに、指導技術だけがうまくなる「万能薬」は存在しない。各自で知識の剝落を補う「学び直し」を同時に行いながら、授業に参加すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション―社会科・公民科を学ぶ意義(教科論)と生徒理解
【第2回】
 社会科・公民科「教材」収集とプレゼ(その1)―個人発表と相互批評
【第3回】
 社会科・公民科「知識・ネタ」プレゼン(その2)―ふり返り、総括
【第4回】
 学習指導要領をよむ―教育課程上における社会科・公民科の位置づけ
【第5回】
 社会系教科における「実践的指導力」の検討―実践論文をよむ
【第6回】
 中等社会系教科 授業構成理論の検討―社会科教育学研究の知見から
【第7回】
 教科書研究とその動向を学ぶ
【第8回】
 中学社会・教科書を使った授業づくりの検討―発問を軸として
【第9回】
 高校公民・教科書を使った授業づくりの検討―教材研究の実践
【第10回】
 シナリオ型学習指導案の作成・成果発表
【第11回】
 学習指導案の作成に向けて
【第12回】
 教材活用・指導方法の工夫をめぐって―実践事例から学ぶ
【第13回】
 学習評価の枠組みを考える―指導と評価の一体化/評価規準と評価基準
【第14回】
 学習評価の枠組みを考える―観点別評価/パフォーマンス評価とは
【第15回】
 まとめと評価―レポート(学習指導案)の提出と相互批評
 (※受講者の人数に応じて作業体験的学習を導入するなど、変更を行う。)