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授業の概要(ねらい) |
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みなさんは、学生としてこの大学で教育を受けているように、教えられる立場で物事を考えたり感じたりする経験を豊富にもっていることだろう。当たり前のように思うかもしれないが、みなさんが教育を受けることができるのは、教えるという行為が介在してこそ成立する。しかし、教え手である教師の力量(能力や判断力)に左右される営みとして、教育が反省的に捉えられようになったこと自体、いかなる時代にも普遍的にみられるわけではない。 教育学は、教えるという行為が秩序立って体系的な枠組みのもとで実践される特質を有するなかで発展してきた学問だ。どういった目的で教え、それはどのような社会的背景を伴って現出しているのか、また、教育を通じてどのような人たちを育てていこうとしているのだろうか? この授業では、教育学の歴史を概観し、教育という営みに介在している概念や技術、そして原理的な特徴を把握しながら、教育の目的や方向性について探求していく。このような探求を通じて、大学で教育学を学ぶことの意味を見出していく。
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2. |
授業の到達目標 |
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・教育学の概論的な知識の習得をめざしつつ幅広い観点から教育について思考することができる。 ・教育学がもつ当為学的な側面と事実学的側面の理解を踏まえ、教育学の意義を論じることができる。
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成績評価の方法および基準 |
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平常点(適宜実施する小レポートや授業後に提出を求めるコメントシートの内容など)50% 期末テスト50%
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教科書・参考書 |
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教科書の指定はない。参考書として、天野郁夫編(1997)『教育への問い:現代教育学入門』東京大学出版会。その他の文献や資料は授業中に適宜提示する。
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準備学修の内容 |
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・授業中に指示する文献や文章を次回授業前までに読んでおき、論点を把握しておくこと。 ・適宜実施予定の小レポートの作成を行うこと。
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その他履修上の注意事項 |
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秋学期開講の「教育学Ⅱ」の受講を考えている学生は、予め受講しておくことを勧める。授業ではコメントシートの提出を要求することがあるので、積極的に取り組むことを求める。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション | 【第2回】 | 教育と学校~歴史的経緯を踏まえて | 【第3回】 | 教育をめぐる思想と実践~制度および方法論を踏まえて | 【第4回】 | 近代国家の誕生と教育 | 【第5回】 | 近代と教育――教育学の成立と発展 | 【第6回】 | 教育実践の理論化と教育学(1)実践との関連性 | 【第7回】 | 教育実践の理論化と教育学(2)関連学問とのつながり | 【第8回】 | 公教育の普及と教育学 | 【第9回】 | 日本における公教育の普及過程 | 【第10回】 | 近代的な学校の浸透は何をもたらしたのか | 【第11回】 | 教育の成功がもたらした光と影(1)学歴主義に注目して | 【第12回】 | 教育の成功がもたらした光と影(2)教育実践に注目して | 【第13回】 | 教育学の課題――実践をめぐる変化、改良の動きを踏まえて | 【第14回】 | 教育学再考 | 【第15回】 | 授業総括 |
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