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授業の概要(ねらい) |
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アレクサンドロス大王の治世を中心に、ギリシア世界と西アジア世界の歴史を一体のものとして理解する。 そのための素材は大王の伝記で、ローマ帝政期に書かれたプルタルコスとアリアノスの作品をテキストとし、一字一句を詳細に検討して事実と創作を見分けながら、大王の人物像と彼を取り巻く世界を解明していく。 大王の伝記には、アレクサンドロスの生前から積み重ねられた無数の伝承や創作が含まれ、さらにローマ帝政期の知識人たちの価値観が色濃く反映している。そうした複雑な作品をどのように読み解けばいいのか、歴史学固有の作業である史料批判の現場を実地に理解してもらいたい。
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2. |
授業の到達目標 |
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テキストの内容を適切に要約し、キーワードを拾い出して説明できること 古典作品を厳密に検討し、事実と創作を識別できること 歴史上の人物の意義を長い視野の中でとらえ、的確に表現できること
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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中間試験40%、期末試験60%
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:プルタルコス「アレクサンドロス伝」(授業用テキストを無料配布) アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記(上)』岩波文庫 参 考 書:森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』講談社学術文庫 森谷公俊訳・註『新訳アレクサンドロス大王伝』河出書房新社
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5. |
準備学修の内容 |
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テキストの指定された範囲をあらかじめ読んでくること
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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毎回小さな課題で答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する ぼんやり座っているだけでは単位は得られない
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション 古代ギリシア・ペルシア史概説 | 【第2回】 | 古代マケドニア王国史・アレクサンドロス大王伝解説 | 【第3回】 | フィリッポス2世とオリュンピアスの結婚 アレクサンドロスの出生 | 【第4回】 | アレクサンドロスの教育とギリシア文化 | 【第5回】 | フィリッポス2世のギリシア征服・マケドニアの軍隊 | 【第6回】 | マケドニア王家の一夫多妻制 | 【第7回】 | フィリッポス2世の暗殺・アレクサンドロスの即位 | 【第8回】 | 前半のまとめと中間試験 | 【第9回】 | 答案の返却とコメント アレクサンドロスのバルカン平定 | 【第10回】 | 東方遠征論の系譜 ダレイオス3世の即位とペルシア情勢 | 【第11回】 | 東方遠征の開始・グラニコスの会戦 | 【第12回】 | 小アジアの征服・ゴルディオンの結び目伝説 | 【第13回】 | イッソスの会戦 | 【第14回】 | ペルシア王家の女性たち | 【第15回】 | 後半のまとめと試験 |
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