Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:HEA-202
西洋史特殊講義1A- II 森谷 公俊
選択必修  2単位
【史】 18-1-1340-0538-008

1. 授業の概要(ねらい)

 アレクサンドロス大王の治世を中心に、ギリシア世界と西アジア世界の歴史を一体のものとして理解する。
 そのための素材は大王の伝記で、ローマ帝政期に書かれたプルタルコスとアリアノスの作品をテキストとし、一字一句を詳細に検討して事実と創作を見分けながら、大王の人物像と彼を取り巻く世界を解明していく。
 大王の伝記には、アレクサンドロスの生前から積み重ねられた無数の伝承や創作が含まれ、さらにローマ帝政期の知識人たちの価値観が色濃く反映している。そうした複雑な作品をどのように読み解けばいいのか、歴史学固有の作業である史料批判の現場を実地に理解してもらいたい。

2.
授業の到達目標

 テキストの内容を適切に要約し、キーワードを拾い出して説明できること
 古典作品を厳密に検討し、事実と創作を識別できること
 歴史上の人物の意義を長い視野の中でとらえ、的確に表現できること

3.
成績評価の方法および基準

 中間試験40%、期末試験60%

4.
教科書・参考書

 テキスト:プルタルコス「アレクサンドロス伝」(授業用テキストを無料配布)
      アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記(上)』岩波文庫
 参 考 書:森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』講談社学術文庫
      森谷公俊訳・註『新訳アレクサンドロス大王伝』河出書房新社

5.
準備学修の内容

 テキストの指定された範囲をあらかじめ読んでくること

6.
その他履修上の注意事項

 毎回小さな課題で答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する
 ぼんやり座っているだけでは単位は得られない

7.
各回の授業内容
【第1回】
 夏のウズベキスタン調査報告
【第2回】
 ダレイオス1世とペルシア帝国の確立
【第3回】
 大王のエジプト平定・アモンの神託
【第4回】
 ガウガメラの会戦
【第5回】
 バビロンとスーサの占領・ペルシア門の戦い
【第6回】
 ペルセポリスの占領と王宮炎上事件
【第7回】
 ダレイオス3世の最期・ペルシア帝国はなぜ滅びたか
【第8回】
 前半のまとめと中間試験
【第9回】
 答案の返却とコメント
 大王の東方路線とその矛盾
【第10回】
 大王の側近たち
【第11回】
 宮廷知識人たち
【第12回】
 プトレマイオスの大王伝とその特徴
【第13回】
 大王治世末期の帝国情勢
【第14回】
 アレクサンドロスの死と後継者問題
【第15回】
 後半のまとめと試験