Web Syllabus(講義概要)

　この日本史演習3A-Ⅱでも、前期と同様に担当教員の専門とする時代である中世後期、特に戦国時代の政治・社会情勢が記録されている当時の史料（文書・日記など）の一部を題材とする。その内容について、受講学生は自ら解読・解釈し、さらに関連する書籍・論文などを探し出し、論点とすべき問題を指摘するという一連の作業をしてもらうことになる。
　受講学生はいくつかのグループを形成し、そのメンバーが相互に協力して担当部分を解読・解釈し、また語句の調査を行い、関連書籍などの捜索と、それらをもととした論点の指摘とその考察を行う必要がある。各グループは後期のうちに少なくとも1回以上の報告を担当し、その際には人数分のレジュメ（プリント）を用意し、配布してもらう。
　後期のこの演習では、戦国時代後期の関東地方の史料を使いたいと考えている。

　グループ単位で受講学生が自ら調査・報告をすることにより、前年の史籍講読の授業とも合わせ、ある程度の古文書学的能力を獲得し、それを将来的な卒業論文の作成に役立てることができるようになることを目標とする。
　またその過程で得られるであろう、情報の調査・整理・分析・報告、また共同作業の方法は、社会人となってからも仕事上有効に活かせるもので、その能力向上をも目指す。

　出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、グループ報告の内容や授業への取り組みの様子、また後期授業の最後に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。

　テキストは使用せず、必要な史料や関係論文などは担当教員がプリントを作成して配布する。

　ある程度の古文書学的な知識が必要となるので、前年度受講した史籍講読で使用した史料の再学修をしておくなど、自己研鑽が望まれる。また戦国時代などに関する書籍などを多読しておくこと。

　演習であるから、調査・報告は受講学生全員の義務となる。グループ分けが行われる後期最初の授業には必ず出席すること。報告内容に関してはグループ全体の責任であり、自分の担当だけを読めば終わりというような態度はとらないようにしてもらいたい。
　また以下の授業内容はあくまで予定であり、状況によっては変更されることがあるので、承知しておいてもらいたい。