Web Syllabus(講義概要)

　この日本古代中世史特殊研究の授業は、大学院の博士課程の院生向けに開講されているものである。よってすでに博士前期（修士）課程において古代中世史を専攻し、修士論文を提出してその審査に合格し、修士号を得た上で、さらに自らの研究内容を深化させたいと希望する院生が対象となる。
　当然参加院生はごく少数となり、授業の進行方法としては、受講院生と担当教員が、特定のテーマについて解釈や議論を行い、ほぼ対峙するような形で進めていくことになる。内容は院生の専門的な研究の方向性を考慮した上で、それに関連するテーマに則した史料・論文などを取り上げ、それらについて受講院生が毎回調査・報告・解読し、教員と共にその内容を検討し、議論する。専門性というよりも個別性の高い演習のような形式となるだろう。

　受講院生の報告や史料講読内容、また教員との議論などにより、またそれらを通じて特定のテーマに関する知見・理解を深める。それによって院生の最終的な目標である博士論文の執筆に寄与し、またその内容の一部となるべきものの模索に資することを目標とする。

　出席は成績評価の前提となる必要条件である（ただし博士論文や投稿論文などの執筆期間については考慮する）。それを満たした上で、授業中の報告内容や取り組みの様子などを勘案して、成績を評価する。

　高度に専門性・個別性の高い授業であるから、特定のテキストは指定できない。受講院生と話し合った上で、適宜その研究方向に合わせて使用する史料・論文などを決定し、あるいは必要であれば担当教員がそれを準備する。

　博士課程大学院生に対して特別の学修方法指示は必要ないものと考えるが、当然ながら自らが扱うテーマの研究史とその問題点の把握、それらに関する認識の深化、比較検討していくべき研究者の書籍・論文また研究上使用すべき史料などの捜索・確保と精読・多読が重要である。

　日本古代中世史特殊研究という授業名称だが、院生個人によって関心はさまざまであるから、あまり時代区分に固執せずに、広い意識で院生の参加を期待する。
　なお以下の授業内容はあくまで予定であり、状況によっては変更されることがあるので、承知しておいてもらいたい。