Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ARC-204
考古学特殊講義2A- II 高木 暢亮
選択必修  2単位
【史】 18-1-1340-1854-006

1. 授業の概要(ねらい)

 墓からなにがわかるのか?がこの授業で取り扱うテーマである。考古学の研究領域である墓制研究からどのようなことが明らかにできるのか、またされてきたのかについて、縄文時代・弥生時代・古墳時代の墓制研究の事例を対象として解説する。文字資料を扱わない考古学において、先史時代の社会関係や社会構造、親族組織などについては限られた情報しか得られないことが多い。そのなかで、墓はこういった問題を取り扱う際にきわめて重要なデータを提供し、物的資料から社会や文化を考える上で貴重な情報源となるものである。この授業では、考古学における墓制研究の実例を通して、考古学者がどのように先史時代社会の復元を行っているかについて述べる。

2.
授業の到達目標

 1.墓からどのような情報が引き出せるのかについて理解する。
  墓の考古学研究の事例を通して実際にどのような情報が引き出され議論されているかについて理解することを目標とする。
 2.墓を対象とした先史時代の社会構造や親族組織の研究について理解する。
  概要でも述べた通り、文字記録のない先史時代社会の構造や親族組織を考察するうえで墓制研究の果たす役割は大きい。具体的な研究事例を通して、墓からどのように社会構造や親族組織にアプローチしているのかについて理解することを目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 授業内テストによって成績を評価する。

4.
教科書・参考書

 テキストは特に指定しない。必要に応じてプリントなどの参考資料を配布する。

5.
準備学修の内容

 授業内で示した参考文献等に目を通しておくことが望ましい。

6.
その他履修上の注意事項

 特になし。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 墓からなにがわかるのか?
【第3回】
 縄文時代の墓制
【第4回】
 縄文時代の集落と墓地
【第5回】
 弥生時代の墓制:早期~前期
【第6回】
 弥生時代の墓制:中期~後期
【第7回】
 弥生時代の墓制:副葬品
【第8回】
 弥生墳丘墓から前方後円墳へ
【第9回】
 前方後円墳をめぐる議論
【第10回】
 古墳の副葬品
【第11回】
 人骨からわかること
【第12回】
 墓からみた縄文時代の社会
【第13回】
 墓からみた弥生時代の社会
【第14回】
 墓からみた古墳時代の社会
【第15回】
 まとめとテスト