Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:HEA-206
西洋史特殊講義3A- II 能勢 和宏
選択必修  2単位
【史】 18-1-1340-4225-006

1. 授業の概要(ねらい)

 「ヨーロッパとは何か?」あるひとは「大西洋からウラルまで」と答えるかもしれない。またあるひとはEUと答えるかもしれない。いずれにせよ、この問いに明確な答えをのべることは難しい。トルコのEU加盟問題、イギリスとEUの関係、ウクライナをめぐるロシアとEUの対立などを念頭に置けば、ヨーロッパという概念がきわめて曖昧なものであることがわかるだろう。
 本授業ではこの「ヨーロッパとは何か?」という問いへの答えを、古代から現代までヨーロッパについて書かれたテキストを用いて探っていく。それらのテキストを読み解き、比較していくことで、ヨーロッパという概念に含まれる共通項や多様性を学ぶ。後期は19世紀から現代までのテキストを読み、今日のヨーロッパ概念を把握していく。例えばニーチェ、ドストエフスキー、チャーチル、ゴルバチョフなどを取り上げる予定である。

2.
授業の到達目標

 ①歴史的構築物としてのヨーロッパという見方を身に着ける。
 ②現代のヨーロッパをめぐる諸問題を、歴史的な見地から考察する姿勢を身に着ける。

3.
成績評価の方法および基準

 小テスト(30%)、期末試験(70%)

4.
教科書・参考書

 教科書は用いない。参考書は適宜授業内で紹介していく。

5.
準備学修の内容

 各授業で取り上げるテキストは事前にLMSにアップロードするので、予習したうえで授業に臨むこと

6.
その他履修上の注意事項

 テキストは英語なので完全に理解するのは難しいかもしれないが、授業中に説明するので、語学力は気にせず受講してほしい

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 古代~19世紀のヨーロッパ観を振り返る
【第3回】
 近代のヨーロッパ観①――Arthur de Gobineau, "Nations are independent of the regions in
             which they live"
【第4回】
 近代のヨーロッパ観②――Julius Frobel, "European affairs and world politics"
【第5回】
 近代のヨーロッパ観③――Friedrich Nietzsche, "European man and the extirpation of nations"
【第6回】
 近代のヨーロッパ観④――Fyodor Dostoevsky, "Russia and/as Europe"
【第7回】
 近代のヨーロッパ観⑤――Mahatma Gandhi, "On European civilization"
【第8回】
 戦間期のヨーロッパ観①――Vladimir Lenin, "The United States of Europe"
【第9回】
 戦間期のヨーロッパ観②――Paul Valery, "Marvellous memories and immoderate hopes"
【第10回】
 戦間期のヨーロッパ観③――Richard Coudenhove-Kalergi, "Europe must unite"
【第11回】
 戦後のヨーロッパ観①――Winston Churchill, "The tragedy of Europe"
【第12回】
 戦後のヨーロッパ観②――Aimé Césaire, "Europe is indefensible"
【第13回】
 戦後のヨーロッパ観③――Henri Brugmans, "Europe identity and our future"
【第14回】
 戦後のヨーロッパ観④――Mikhail Gorbachev, "A common European home"
【第15回】
 まとめと試験