Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SEM-333
西洋史演習5A- I 石川 敬史
選択必修  2単位
【史】 18-1-1340-4649-009

1. 授業の概要(ねらい)

 本授業は、西洋史の基本的枠組みであるキリスト教思想を理解するために、キリスト教神学の研究者の著作を講読することを方針としている。本年度は、宗教改革の代表的人物であり、プロテスタント神学の巨人であるジャン・カルヴァンの生涯を検討し、カルヴァンの宗教的、文化的意義を理解し、プロテスタンティズムの特徴、キリスト教信仰の本質、そして社会におけるキリスト教徒の立場といった、カルヴァンが根本的に重要だとみなした問題を明らかにする。
 この授業は、演習形式で行う。演習形式の授業とは、受講者が事前にテキストを精読して、授業では自分の問題関心、疑問点を発言し、議論を行うものである。また受講者各人は、最低でも一回は、テキストの担当箇所の発表を行う。発表のやり方は授業のはじめに指示する。受講者はテキストの読解を通して、西洋思想の基本的な枠組みを学ぶと同時に、学術的文章の書き方、報告の手順、文献の調べ方を学修する。(※大学での学びを「学修」という)

2.
授業の到達目標

 西洋思想の基本的枠組みであるキリスト教思想を理解する。
 学術的文献の読み方を習得する。
 学術的文章の書き方を習得する。
 学術的な議論の方法を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 授業での積極的な発言への評価50%
 レジュメによる報告への評価30%
 提出レポートへの評価20%
 ※レジュメとは、担当なったテキストの該当箇所を要約したもので、担当者はそのレジュメをもとに内容を報告する。
  レポートの課題は、授業最終日に指示するので、指定された期日までに提出すること。

4.
教科書・参考書

 アリスター・E・マクグラス(芳賀力訳)『ジャン・カルヴァンの生涯(上)』(キリスト新聞社、2009年)

5.
準備学修の内容

 授業でとりあげるテキストを必ず精読し、疑問点、問題関心をもって授業にのぞむ。
 レジュメ報告担当者は、担当部分のレジュメを作成し、報告の準備をする。
 報告担当ではない受講者は、報告者を補助できるように内容を把握しておく。

6.
その他履修上の注意事項

 本授業は、受講者の積極的な参加姿勢を前提に成り立つものである。
 授業での積極的な発言への評価をもっとも高く設定しているのもそのためである。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス。
 テキストについての解説、授業の運営方針の説明を行い、報告担当の順番等を決める。
【第2回】
 テキスト第一章「序章」講読
 報告者による報告と内容の検討
【第3回】
 テキスト第二章「パリ−知的精神の形成」講読(1)
 報告者による報告と内容の検討
【第4回】
 テキスト第二章「パリ−知的精神の形成」講読(2)
 報告者による報告と内容の検討
【第5回】
 テキスト第三章「彷徨の年月−オルレアン、そして人文主義との出会い」講読(1)
 報告者による報告と内容の検討
【第6回】
 テキスト第三章「彷徨の年月−オルレアン、そして人文主義との出会い」講読(2)
 報告者による報告と内容の検討
【第7回】
 テキスト第四章「人文主義者から宗教改革者へ−回心」講読(1)
 報告者による報告と内容の検討
【第8回】
 テキスト第四章「人文主義者から宗教改革者へ−回心」講読(2)
 報告者による報告と内容の検討
【第9回】
 これまでの授業内容の総括。
 進行が遅れていた場合の予備日とする。
【第10回】
 テキスト第五章「ジュネーブ−その第一期」講読(1)
 報告者による報告と内容の検討
【第11回】
 テキスト第五章「ジュネーブ−その第一期」講読(2)
 報告者による報告と内容の検討
【第12回】
 テキスト第五章「ジュネーブ−その第一期」講読(3)
 報告者による報告と内容の検討
【第13回】
 テキスト第六章「ジュネーブ−権力の強化」講読(1)
 報告者による報告と内容の検討
【第14回】
 テキスト第六章「ジュネーブ−権力の強化」講読(2)
 報告者による報告と内容の検討
【第15回】
 授業全体の総括。
 レポート課題についての指示。