Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:JPH-204
日本史特殊講義2A- II 佐伯 智広
選択必修  2単位
【史】 18-1-1340-4650-008

1. 授業の概要(ねらい)

 荘園制は、中世日本の政治や社会に大きな影響を及ぼした、重要な制度です。しかしながら、荘園制と現代の土地制度・税制度とでは大きな違いがあることなどから、理解することが難しい分野でもあります。本講義では、中世日本で荘園制が誕生した過程・理由や、荘園制が中世の政治史に与えた影響、中世の社会で荘園制が果たした役割について論述し、荘園制の歴史的評価について考えます。

2.
授業の到達目標

 荘園制の成立過程・役割・特質などについて、史料に基づいて説明できるようになること、および、前後の時代や現代の社会のあり方と比較しながら、中世日本の社会制度について主体的に考えることができるようになることを目指します。

3.
成績評価の方法および基準

 予習シート30%
 期末レポート70%

4.
教科書・参考書

 〈テキスト〉
  指定教科書はありません。プリントを授業時に配布します。
 〈参考文献〉
  川端新『荘園制成立史の研究』(思文閣出版、2000年)
  佐藤泰弘『日本中世の黎明』(京都大学学術出版会、2001年)
  高橋一樹『中世荘園制と鎌倉幕府』(塙書房、2004年)
  上島享『日本中世社会の形成と王権』(名古屋大学出版会、2010年)
  佐伯智広『中世前期の政治構造と王家』(東京大学出版会、2015年)

5.
準備学修の内容

 予習として、予習シートに指定されたキーワードについて調べ、意味を記入する必要があります。また、復習として、板書のノート整理を行う必要があります。

6.
その他履修上の注意事項

 講義は板書形式ですので、ノート類が必要となります。私語等に対する指導に従わない場合は減点等の対象となります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション 荘園と荘園制との違い
【第2回】
 荘園制前史1 律令制下の土地と税のあり方について
【第3回】
 荘園制前史2 律令制崩壊後の土地と税のあり方について
【第4回】
 荘園制前史3 荘園制成立以前の摂関家領荘園について
【第5回】
 荘園制前史4 白河院政期の土地と税のあり方について
【第6回】
 荘園制の成立と鳥羽院政の政策について
【第7回】
 中世荘園の立荘について
【第8回】
 中世の荘園の相続について
【第9回】
 荘園制と中世貴族社会の関係について
【第10回】
 荘園制と地域支配の関係について
【第11回】
 荘園制と税の関係について
【第12回】
 荘園制と治承~文治の内乱の関係について
【第13回】
 荘園制と鎌倉幕府1 荘園の相続と鎌倉幕府の関係について
【第14回】
 荘園制と鎌倉幕府2 武家領と寺社本所一円地について
【第15回】
 中世後期の荘園制への展望