Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SOC-102
社会学 II 石島 健太郎
【Ⅳ】  2単位
【Ⅳ 社会と経済のしくみを学ぶ】 18-1-1350-4680-010

1. 授業の概要(ねらい)

 本講義では、質的比較分析(QCA)を基礎から学びます。「数学が得意なら大学に合格するが、そうでないなら英語と国語が得意でないといけない」「就職するには学歴だけでなくコミュニケーション能力も必要だ」など、社会現象はしばしば条件とその組み合わせによって記述されます。QCAは、こうした条件と結果の関係をわかりやすく示す手法で、近年政治学や社会学などで利用が進んでいます。
 本講義では、QCAについてその基礎から学び、この方法を自分でも使ってレポートが書けるようになることを目標にします。履修者の理解度に合わせて進めますが、学期の後半では、mvQCAやfsQCA、時系列QCAといった発展手法についても扱いたいと思っています。
 なお、最初に復習しますので、履修に際して数学の前提知識は不要です。0.8と0.9のどちらが大きいか判断でき、0.8を0.9で割る計算が電卓でできれば十分です。

2.
授業の到達目標

 QCAの原理を理解し、実際に利用できる
 QCAを利用したレポートを執筆できる

3.
成績評価の方法および基準

 100点満点の期末試験(80%)および授業中の積極的な参加(20%)を評価基準とします。ただし、学期の途中に30点満点(予定)の確認テストを行い、その点数を期末試験に加点します。確認テストを受験しなくても単位をとることは可能ですが、確認テストを受ければそのぶん単位取得が容易になります。
 なお、学期の後半では電卓を利用します。授業中はスマートフォンなどに入っているアプリケーションを使っても構いませんが、期末試験に持ち込めるのは電卓の機能のみをもつものに限ります。関数電卓である必要はありません。

4.
教科書・参考書

 授業中に論文を示し、必要に応じてLMSにもアップロードします。本講義で扱う手法の概説としては、ブノワ・リウー、チャールズ・C・レイガン編著、2016、『質的比較分析(QCA)と関連手法入門』晃洋書房.がありますが、邦訳がやや読みづらいので、教科書とはしません。

5.
準備学修の内容

 毎回の講義内容をよく復習してください。積み上げ式の講義なので、やむをえず欠席する場合などはノートを借りるなどして追いついてください。

6.
その他履修上の注意事項

 講義内容への質問・批判等を通じた積極的な授業参加を期待します。また、他者の迷惑になるような行為は慎んでください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:授業計画および概略を示し、評価基準について詳説する。
【第2回】
 csQCA(1):集合の基本
【第3回】
 csQCA(2):真理表の作成と縮約
【第4回】
 csQCA(3):矛盾行・空行への対応
【第5回】
 csQCA(4):csQCAの適用例
【第6回】
 mvQCA:csQCAの限界と多値への対応、mvQCAの適用例
【第7回】
 計量分析との比較:QCAへの批判
【第8回】
 確認テスト
【第9回】
 確認テストの返却・解説
【第10回】
 fsQCA(1):mvQCAの限界とファジィ集合の基本
【第11回】
 fsQCA(2):包含係数の計算
【第12回】
 fsQCA(3):被覆度と十分性の評価
【第13回】
 fsQCA(4):fsQCAの適用例
【第14回】
 質疑応答・試験対策
【第15回】
 まとめと試験:上記到達目標が達成されたか否かを確認する。