Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SEM-304
心理学演習B 新谷 和代
必修  2単位
【心理学科】 18-1-1360-0290-003

1. 授業の概要(ねらい)

 子どもがどのようなプロセスで発達していくのか,また子どもたちの環境で発生する課題や問題行動について,その原因を理解し解決へのアプローチを学ぶことは,子どもに関連した援助職を進路と考えている学生のみならず,将来子育てをする可能性がある全ての学生に役立つことでもある。
 前期の授業では,大河原美以氏著『子どもの感情コントロールと心理臨床』の中のキーフレーズである「子どもは親の顔を見て安心する環境が保証される必要がある」ことについて,脳内環境や,認知的側面から,文中のいくつかの小さな事例も読み込みながら学んできた。また,弘中正美著『遊戯療法と箱庭療法をめぐって』では,アクスラインの8つの援助についての基本姿勢を元にしながら,遊戯療法が,如何に今ある閉塞的な環境から子どもを開放し,再生に向けて自らが前進する力を与えるかを,「龍太の事例」を読みながら理解を深めていった。後期の授業では,それらの基本事項を踏まえながら教科書を読み進め,副教材では,新しく箱庭療法についても学ぶ。また,ディスカッションを交えたワークショップも実施し,子どもへの発達臨床について,さらに理解を深める。なお後期では,前期に引き続きLMSでの課題や小テストを実施して,知識の定着を図る。

注)「7.各回の授業内容」は,おおよその目安である。進路状況によって変更することもある。

2.
授業の到達目標

 子どもの発達についての知識の獲得  子どもへの支援スキルの獲得

3.
成績評価の方法および基準

 ・出席および発表 (40%)
 ・ディスカッションへの積極性(小テストや課題の提出を含む)(40%)
 ・期末課題(20%)
 3分の1以上欠席した者には単位を与えない。2回の遅刻(15分以内)は欠席1回とみなす。遅刻時間を記録する。

4.
教科書・参考書

前期に引き続き、以下のテキストを使用する。
  『子どもの感情コントロールと心理臨床』 大河原美以著 日本評論社 2015
副教材は、以下のテキストである。
  『遊戯療法と箱庭療法をめぐって』 弘中正美著 誠信書房 2014

5.
準備学修の内容

授業で取り上げる章を読んでくること。

6.
その他履修上の注意事項

・授業に欠席した場合は,自主学習の課題で補うこと。
・ディスカッションに向けた課題や,小テストに取り組むこと。万一未提出の場合は,代替課題に取り組むこと。

7.
各回の授業内容
【第1回】
イントロダクション 前期の振り返りと後期授業内容についての説明
【第2回】
第4章 児童期以降の親子関係における困難(子どもの感情コントロールと心理臨床)
【第3回】
第5章 見立てと援助の方法論(子どもの感情コントロールと心理臨床)
【第4回】
第6章 事例を通して──親の苦悩と覚悟と愛情、そして子の成長(子どもの感情コントロールと心理臨床)
【第5回】
ワークショップ①
【第6回】
第5章 箱庭療法 (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第7回】
第6章 箱庭療法再入門 (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第8回】
第7章 箱庭における遊びの持つ治療的意義 (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第9回】
第8章 箱庭療法におけるクライエントとセラピスト間のコミュニケーション (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第10回】
ワークショップ②
【第11回】
第9章 親面接をめぐる諸問題 (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第12回】
第10章 前概念的レベルにおけるコミュニケーション――遊戯療法・箱庭療法などにおける治療メカニズムについて (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第13回】
終 章 遊戯療法・箱庭療法の今後の可能性 (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第14回】
第11章 イメージの心理的治癒機能 (遊戯療法と箱庭療法をめぐって)
【第15回】
ワークショップ③ まとめ