Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:PSY-201
心理学基礎文献研究 I 高田 孝二
必修  2単位
【心理学科】 18-1-1360-0320-003

1. 授業の概要(ねらい)

 こころのはたらきの源泉は脳内の神経機構にあります。精神科領域の疾病治療に用いられるものを含め、様々な薬物がこの神経機構やそのはたらきを修飾することはよく知られており、このような薬物効果を通して行動のメカニズムを探る心理学の分野は行動薬理学と呼ばれます。ここでは行動薬理学の基本的文献を抄読し、くすりがどのように行動を変化させるのか、またその変化の背景にある脳内神経機構の変化から、こころのはたらきを探るとともに、この分野の基礎的知識と技法を学びます。

2.
授業の到達目標

 くすりの作用を通してみたこころのはたらきや、行動薬理学の基本的方法論・知識を学ぶことを目指します。

3.
成績評価の方法および基準

 課題発表・課題レポート・出席状況(あわせて70%)、最終レポート(30%)で評価します。正当な理由なく6回以上欠席した者には単位を与えません。

4.
教科書・参考書

 田所作太郎(編)『行動薬理学の実践』(星和書店)や、日本薬理学会(編)『実践行動薬理学』などから抜粋・配布します。

5.
準備学修の内容

 テキストは自分の担当以外でも通読し、質問を用意しておくこと。自分でも、身の回りにある「薬物」(アルコール、たばこ、コーヒー、風邪薬…)がこころのはたらきにどのような影響を与えているのかを観察し、授業内容をフィードバックしつつ、そのしくみを考える習慣をつけてください。

6.
その他履修上の注意事項

 抄読・発表は「朗読」ではありません。事前にテキストを精読し、わからない用語を調べ、関連文献をあたるなど十分な準備をしてください。発表ではテキストの内容をかいつまんで紹介するとともに、用語の解説や自分の考えを述べて皆の理解をうながすよう工夫してください。発表者以外の履修者にも同様に積極的な参加を期待します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション(ガイダンス、授業内容の紹介、発表割り当て)
【第2回】
 文献の抄読・討論:こころとくすり
【第3回】
 文献の抄読・討論:行動の見方と考え方(1)
【第4回】
 文献の抄読・討論:行動の見方と考え方(2)
【第5回】
 文献の抄読・討論:自発運動の測定-覚せい剤の作用を中心に
【第6回】
 文献の抄読・討論:逆耐性現象(1)
【第7回】
 文献の抄読・討論:逆耐性現象(2)
【第8回】
 文献の抄読・討論:行動の時間生物学
【第9回】
 文献の抄読・討論:時間薬理学、生体リズム
【第10回】
 文献の抄読・討論:行動遺伝学
【第11回】
 文献の抄読・討論:アルコール嗜好の遺伝学
【第12回】
 文献の抄読・討論:精神疾患の動物モデル
【第13回】
 文献の抄読・討論:雄性動物の社会行動(敗北経験と性行動障害)
【第14回】
 文献の抄読・討論:抑うつ行動の性差・雌性動物の特性
【第15回】
 総合討論・全体のまとめ