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授業の概要(ねらい) |
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心の健康の保持増進は、専門家のみならず国民ひとりひとりが意識して取り組む必要がある。専門家も心理学のみならず医学、看護学、福祉学、教育学その他の分野の多職種が担っている。他の職種が国家資格化されてきたのに対して、心理学に基づく専門家が国家資格化されたのは、2015年9月の公認心理師法成立によってである。 公認心理師法によって、公認心理師という心理学に基づく国家資格が誕生することとなる。しかしこの資格の設立経緯からみても、心理学という学問のための資格ではなく、あくまで国民の心の健康の保持増進に貢献するための資格であることに充分に留意する必要がある。国民の心の健康に関する課題は、複雑化し困難化している現状がある。学問は時としてそれらの現場のニーズを読み取れず、学問のための学問となることもある。公認心理師が真の意味で国民に資するものとなるために、この資格の役割や意義、現状や課題などについて、幅広く学習する必要がある。 具体的な学習内容は、以下の10点を中心とする。 1. 公認心理師の役割 2. 公認心理師の法的義務及び倫理 3. 心理に関する支援を要する者等の安全の確保 4. 情報の適切な取扱い 5. 保健医療、福祉、教育その他の分野における公認心理師の具体的な業務 6. 自己課題発見・解決能力 7. 生涯学習への準備 8. 多職種連携及び地域連携 9. 公認心理師における研究の意義 10. 公認心理師と臨床心理士の関係について 公認心理師が目指す実践内容のほとんどは、これまで臨床心理学及び臨床心理士の諸活動によって実績が積み重ねられている。心理学を理論的基礎とし、社会に生じるさまざまな「心理的ニーズ」を見立て、心の奥深い部分でかかわり、その営みを総合的に評価するための実践的学問が臨床心理学であり、医療、教育、産業、福祉、司法・矯正といったさまざまな分野においてその実践が積み重ねられている。 公認心理師は、臨床心理士のこれまでの活動を、国家資格として引継ぎ、日本全国で心の健康をささえる活動が展開できるよう準備が始まっている。将来公認心理師(臨床心理士)になりたい人は、この講義を履修し、具体的な心理専門職としての心構えを身につける必要がある。
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授業の到達目標 |
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1)公認心理師の業務と役割について概説できる 2)公認心理師の法的義務や倫理について概説できる 3)公認心理師が活動する諸分野と多職種連携について説明できる 4)公認心理師としての判断、自己解決能力、研究、生涯学習についての考えを持てる
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成績評価の方法および基準 |
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試験50%、小テスト20%、レポート30%
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教科書・参考書 |
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テキスト:『公認心理師の基礎と実践シリーズ-①公認心理師の職責』 野島一彦編 遠見書房 参考文献:『心の専門家が出会う法律』 金子和夫監修 津川律子・元永拓郎編著 誠信書房 参考文献:『公認心理師現任者講習会テキスト[2018年版]』 一般財団法人日本心理研修センター監修 金剛出版
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準備学修の内容 |
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テキストの次回授業範囲について充分に読み込み、授業およびLMSで配布するホームワークに取り組む。またLMSにて配布する授業レジュメに事前に目を通し、自分自身の意見を用意して授業に臨み、授業内でのディスカッションに備える。
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その他履修上の注意事項 |
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心理学科の3年生以上が選択できる。またこの科目の履修においては、入学年度によっては、履修要件が設定される場合もあるので留意する必要がある。この科目履修にあたっては、「臨床心理学概論」「心理的アセスメント(臨床アセスメント)」「心理学的支援法(心理療法概論)」などの履修が必要となる。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ・前期ガイダンス/・公認心理師とは? | 【第2回】 | ・公認心理師の業務と役割/・公認心理師と心理学、臨床心理学 | 【第3回】 | ・心の健康に関する支援の歴史/・臨床心理士と公認心理師/・公認心理師と研究 | 【第4回】 | ・公認心理師法と関連する法律 | 【第5回】 | ・公認心理師の法的義務と倫理の基本 | 【第6回】 | ・公認心理師の倫理の実際/・個人情報保護など | 【第7回】 | ・公認心理師と心理学的支援に関する諸理論 | 【第8回】 | ・保健医療分野における公認心理師 | 【第9回】 | ・福祉分野における公認心理師 | 【第10回】 | ・教育学校分野における公認心理師 | 【第11回】 | ・司法警察分野における公認心理師 | 【第12回】 | ・産業組織分野における公認心理師 | 【第13回】 | ・分野を横断する公認心理師の活動/・自殺対策と公認心理師 | 【第14回】 | ・公認心理師と生涯学習/・公認心理師の現状と未来 | 【第15回】 | ・まとめ |
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