Web Syllabus(講義概要)

　社会精神医学とは、精神医学的な問題が生物・心理・社会の影響を受けていることを前提する学問である。2011年に起きた東日本大震災は、災害時の健康支援にはどんな支援ができるだろうか、という疑問を投げかけた。また、日本で餓死がでたという出来事は、貧困問題が日本に存在するということを否応なく意識させられ、私たちに驚きを与えるのに十分であった。人口が減少に向かっている今でも自殺者数が3万人程度を推移している現状もまた、私たちに考えることを要求する事態である。こうした問題は、専門家だけが取り組めば解決に向かうものではない。誰もが身近な問題であると捉えることによってはじめて、現実味を帯びてくるものである。社会的な問題と精神医学が関連する分野を広く紹介したいと考えている。
　授業では、リアクションペーパーの質疑をもとに進めるために、内容は変更することがある。

　学生自身が社会で起きる出来事に関心を抱き、精神疾患や精神疾患が生じる背景に目を向け、関心を抱き、自分の考えを他者にもわかるように伝えることができるようにすること。

　リアクションペーパー30％、試験70％

　参考書：社会精神医学会編（2009）『社会精神医学』医学書院

　毎回授業で紹介する論文や書物を読んでおくこと。

　社会で起こる出来事について興味関心を抱き、積極的に調べること。
　授業内で調査を依頼することがある。ゲストスピーカーを招くことがある。