Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
科目ナンバリング:STS-102
心理統計学 II 橋本 貴充
必修  2単位
【心理学科】 18-1-1360-3271-009

1. 授業の概要(ねらい)

 心理学の知見の多くは、統計を使って実証されている。レポートや卒業論文を執筆する場合のみならず、心理学の過去の研究を読む場合にも、専門用語や特有の言い回しに慣れなければ、心理学を学んでいくことはできない。この授業では、心理学でよく使われる手法について説明する。
 第1回~第6回は主に調査系の研究で使われる、多変量解析などの、相関関係を検討するための手法を説明する。
 第7回~第13回は主に実験系の研究で使われる、分散分析などの、平均値差を検討するための手法を説明する。

2.
授業の到達目標

 知識:心理学でよく用いられる統計手法について、問題点を理解し、適切な手法を選択できる。
 技能:教科書等を参照しながら、心理学のデータに適した統計手法を選択し、結果を適切に記述できる。これらの統計手法を用いた心理学の論文の、結果を正しく読み取ることができる。
 態度:心理学でよく用いられる統計手法を使用するにあたり、注意すべき点などを積極的に発見し議論できる。

3.
成績評価の方法および基準

 成績評価の方法は、宿題(20%)、掲示板によるディスカッション(10%)、期末試験(70%)とする。
 知識と技能についての目標到達度は、宿題(配点1点×10回)と期末試験(配点60点)で評価する。
 態度についての目標到達度は、宿題(配点1点×10回)、掲示板によるディスカッション(配点10点)、期末試験(配点10点)で評価する。
 出席点はない。授業に出席せずとも、目標に到達しているならば評価する。ただし、統計学は積み重ねが大事であるため、欠席すると理解が追いつかなくなる可能性が高くなる。反対に、予習復習なしにただ出席しているだけでは、合格点を与えられない。

4.
教科書・参考書

 教科書:
 (1)清水 裕士・荘島 宏二郎(2017)『社会心理学のための統計学』誠信書房
 (2)橋本 貴充・荘島 宏二郎(2016)『実験心理学のための統計学』誠信書房

5.
準備学修の内容

 90分の授業をただ聴講するだけでは理解が難しい。毎週、以下の3つを行うこと。
  ・宿題(予習課題と復習課題)をLMSからダウンロードし、授業前日までに解答する。
  ・事前に教科書の該当箇所を読み、分からない用語はその意味を調べておく。
  ・事前にLMS上の板書のパワーポイントスライドを閲覧し、必要ならば印刷して授業に持参する。

6.
その他履修上の注意事項

 宿題も成績評価の対象である。他人と相談して行うことは不正行為である。答案を参照した方だけでなく、参照させた方も処分の対象となる。必ず自分で調べて解答すること。
 態度も到達目標にある。議論に積極的に参加しない場合、高い評価は得られない。私語などにより他の受講者に迷惑をかける行為は、退席を求め厳しい処分を行う。
 ソフトウェア等でデータを実際に分析する方法までは扱う時間がない。各自、相性の良いソフトウェア(R、SPSS、SASなど)の参考書で自習するか、もしくは心理データ解析法IIを受講すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 心についての構成概念の測定(教科書(1)第1章)
【第2回】
 因子分析(教科書(1)第2章)
【第3回】
 信頼性と妥当性(教科書(1)第3章)
【第4回】
 単回帰分析(教科書(1)第4章)
【第5回】
 重回帰分析(教科書(1)第5章)
【第6回】
 共分散分析(教科書(1)第6章)
【第7回】
 対応のあるt検定(教科書(2)第1章)
【第8回】
 対応のないt検定(教科書(2)第2章)
【第9回】
 参加者間1要因分散分析(教科書(2)第3章 p.37まで)
【第10回】
 多重比較(教科書(2)第3章 p.37以降)
【第11回】
 参加者内1要因分散分析(教科書(2)第4章)
【第12回】
 参加者間2要因分散分析(教科書(2)第5章 p.71まで)
【第13回】
 単純主効果(教科書(2)第5章 p.71以降)
【第14回】
 心理統計学を自分たちの研究にどう応用するか
【第15回】
 まとめ