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授業の概要(ねらい) |
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心理学の知見の多くは、統計を使って実証されている。レポートや卒業論文を執筆する場合のみならず、心理学の過去の研究を読む場合にも、専門用語や特有の言い回しに慣れなければ、心理学を学んでいくことはできない。この授業では、心理学でよく使われる手法について説明する。 第1回~第6回は主に調査系の研究で使われる、多変量解析などの、相関関係を検討するための手法を説明する。 第7回~第13回は主に実験系の研究で使われる、分散分析などの、平均値差を検討するための手法を説明する。
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2. |
授業の到達目標 |
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知識:心理学でよく用いられる統計手法について、問題点を理解し、適切な手法を選択できる。 技能:教科書等を参照しながら、心理学のデータに適した統計手法を選択し、結果を適切に記述できる。これらの統計手法を用いた心理学の論文の、結果を正しく読み取ることができる。 態度:心理学でよく用いられる統計手法を使用するにあたり、注意すべき点などを積極的に発見し議論できる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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成績評価の方法は、宿題(20%)、掲示板によるディスカッション(10%)、期末試験(70%)とする。 知識と技能についての目標到達度は、宿題(配点1点×10回)と期末試験(配点60点)で評価する。 態度についての目標到達度は、宿題(配点1点×10回)、掲示板によるディスカッション(配点10点)、期末試験(配点10点)で評価する。 出席点はない。授業に出席せずとも、目標に到達しているならば評価する。ただし、統計学は積み重ねが大事であるため、欠席すると理解が追いつかなくなる可能性が高くなる。反対に、予習復習なしにただ出席しているだけでは、合格点を与えられない。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書: (1)清水 裕士・荘島 宏二郎(2017)『社会心理学のための統計学』誠信書房 (2)橋本 貴充・荘島 宏二郎(2016)『実験心理学のための統計学』誠信書房
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5. |
準備学修の内容 |
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90分の授業をただ聴講するだけでは理解が難しい。毎週、以下の3つを行うこと。 ・宿題(予習課題と復習課題)をLMSからダウンロードし、授業前日までに解答する。 ・事前に教科書の該当箇所を読み、分からない用語はその意味を調べておく。 ・事前にLMS上の板書のパワーポイントスライドを閲覧し、必要ならば印刷して授業に持参する。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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宿題も成績評価の対象である。他人と相談して行うことは不正行為である。答案を参照した方だけでなく、参照させた方も処分の対象となる。必ず自分で調べて解答すること。 態度も到達目標にある。議論に積極的に参加しない場合、高い評価は得られない。私語などにより他の受講者に迷惑をかける行為は、退席を求め厳しい処分を行う。 ソフトウェア等でデータを実際に分析する方法までは扱う時間がない。各自、相性の良いソフトウェア(R、SPSS、SASなど)の参考書で自習するか、もしくは心理データ解析法IIを受講すること。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 心についての構成概念の測定(教科書(1)第1章) | 【第2回】 | 因子分析(教科書(1)第2章) | 【第3回】 | 信頼性と妥当性(教科書(1)第3章) | 【第4回】 | 単回帰分析(教科書(1)第4章) | 【第5回】 | 重回帰分析(教科書(1)第5章) | 【第6回】 | 共分散分析(教科書(1)第6章) | 【第7回】 | 対応のあるt検定(教科書(2)第1章) | 【第8回】 | 対応のないt検定(教科書(2)第2章) | 【第9回】 | 参加者間1要因分散分析(教科書(2)第3章 p.37まで) | 【第10回】 | 多重比較(教科書(2)第3章 p.37以降) | 【第11回】 | 参加者内1要因分散分析(教科書(2)第4章) | 【第12回】 | 参加者間2要因分散分析(教科書(2)第5章 p.71まで) | 【第13回】 | 単純主効果(教科書(2)第5章 p.71以降) | 【第14回】 | 心理統計学を自分たちの研究にどう応用するか | 【第15回】 | まとめ |
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