Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:
心の健康教育に関する理論と実践 中島 俊
選択  2単位
【臨床心理学専攻】 18-1-1360-4652-010

1. 授業の概要(ねらい)

 心の健康教育とは、心の健康を維持するための知識を提供することによって、心の健康を育てることを目的とした心理教育である(石隈、2017)。心の健康教育には、心の健康に関する予防開発的なものから、心の健康が困難な状況に置かれている者に対しては心の健康を維持・回復を援助するといった広範な心理学の知識が求められる。そこでこの授業では、心の健康教育に関する理論と心の健康教育に関する実践のという2つの理解を目指す。

2.
授業の到達目標

 1)心の健康教育について理解する。
 2)心の健康教育に関する実践について理解する。
 3)心の健康教育に関する実践を行うことができる。
 4)心の健康教育で使用する資料を自分が作成することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 出席45%、プレゼンテーション・演習15%、レポート及び期末試験40%、

4.
教科書・参考書

 ・野島一彦(編)(2017)『公認心理師入門 知識と技術(こころの科学増刊)』日本評論社
 ・田村節子・石隈利紀(2017)『石隈・田村式援助シートによる子ども参加型チーム援助:インフォームドコンセントを超えて』
 ・伊藤正哉他(2014)『不安とうつの統一プロトコル バーロウ教授によるクリニカルデモンストレーション』診断と治療社

5.
準備学修の内容

 各講義の前にあらかじめ指定された文献を読み、理解を深めること。

6.
その他履修上の注意事項

 グループ討議、心の健康教育の実践に関するロールプレイを実施する予定である。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 心の健康教育の理解と心の健康教育における公認心理師の役割
【第2回】
 心の健康に関する理解
  ①現実認識の的確さ、②自尊感情、③セルフ・コントロール、④親和的関係の形成、生産性
【第3回】
 心の健康教育に関する内容
  ①自己との関わり、②他者・集団との関わり、③学習・キャリアの課題、④心身の健康との付き合い方、⑤危機対処・レジリエンス
【第4回】
 心の健康教育を支える理論(1)
  ①カウンセリング心理学、②コミュニティ心理学、③学校心理学
【第5回】
 心の健康教育を支える理論(2)
  行動医学的アプローチ(行動療法、認知療法、認知行動療法、応用行動分析)
【第6回】
 心の健康教育のプロセス
  ①ニーズアセスメント、②プログラムの決定、③プログラムの実施、④プログラムの評価
【第7回】
 心の健康教育の実践(1)
  感情や現実認識に関する心理教育:感情心理学に基づく感情の理解
【第8回】
 心の健康教育の実践(2)
  動機づけや自尊感情、生産性に関する心理教育:行動活性化とアクセプタンス&コミットメント・セラピー
【第9回】
 心の健康教育の実践(3)
  問題行動やセルフコントールに関する心理教育:セルフ・モニタリング
【第10回】
 心の健康教育の実践(4)
  自己との関わりと健康の問題に関する心理教育:マインドフルネス
【第11回】
 心の健康教育の実践(5)
  現実認識の的確さに関する心理教育:認知評価と認知再評価
【第12回】
 心の健康教育の実践(6)
  親和的関係の形成に関する心理教育:アサーション・トレーニング
【第13回】
 心の健康教育の実践(8)
  不安・うつに関する心理教育:診断横断的認知行動療法
【第14回】
 心の健康教育の実践(8)
  不眠に関する心理教育:不眠症に対する認知行動療法
【第15回】
 受講者が作成した心の健康教育に関するプレゼンテーション