Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:PHE-202
超域思想論 II 宇多 浩
選択  2単位
【外国語】 18-1-1500-0738-004

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、西洋の著名な思想家たちの思想に触れながら、西洋思想についての基本的知識を身につけることを目標とします。西洋の思想は、古代ギリシア・ローマの時代を起点とし、中世・ルネサンス・近代を経て、現代にまで続いています。この西洋思想は、西洋文化全体に多大な影響を与えており、西洋文化を知るためにも、西洋思想についての教養を身につけることは大切です。西洋文化を学ぶ前提として、西洋思想の基礎的な教養を身につけていただきたいと思います。
 授業では、一般読者向けに書かれた書物である『ソフィーの世界(下)』をテキストとして用い、各章の著名な思想家の思想を読み解いていきます(後期は近代哲学~現代哲学まで)。テキストだけでもの足りない部分は、原典(日本語訳)を参照して知識を補います。
 西洋思想についての知識を身につけることが目標ですが、ただ知識を受動的に覚えるだけでは不十分ですので、毎回、ワークシートでポイントをまとめる、という作業をしていただく予定です。

2.
授業の到達目標

 ・西洋の著名な思想家について、その基本知識を自分の言葉で説明できる。
 ・著名な思想家の文献を読み解き、そのエッセンスを自分の言葉でまとめることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 ・平常点(約50%)、中間試験・期末試験(各25%)にて総合的に評価する予定。
 ・平常点は、ほぼ毎回使用するワークシートの出来によって評価する。
 ・原則として、欠席が5回を超えた学生は失格扱いとする。その場合、定期試験を受けたとしても失格扱いとなり、単位を取得することはできない。

4.
教科書・参考書

 テキスト:『ソフィーの世界(新装版)(下)』(ヨースタイン・ゴルデル著、NHK出版 2011年)
 その他の関連文献は、適宜、授業中にプリントで配布します。

5.
準備学修の内容

 上記のように、この授業ではほぼ毎回、テキストもしくは指定文献(おもに日本語テキストの抜粋)を読んでまとめることが求められます。作業は授業中に行うこともありますが、授業外の時間に行うことが基本です。

6.
その他履修上の注意事項

 西洋思想の基礎を学ぶ授業ですので、前提知識はとくに求められません。しかし授業で学ぶ内容には、かなり抽象的で難解な内容も含まれています。こうしたことも踏まえつつ、哲学的・思想的な文章を読む意欲や関心のある方の受講を期待しています。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義の概要
【第2回】
 バークリー ― 「存在するとは知覚されることである」とは、どういうことか?
【第3回】
 カント(1) 人間は世界を知ることができるのか?
【第4回】
 カント(2) 道徳法則とはどのようなものか?
【第5回】
 マルクス ― 人間の意識は社会や経済とどのように関係しているのか?
【第6回】
 ダーウィン ― 進化論とは? 進化論から見た人間とは?
【第7回】
 フロイト ― 意識の根底には何があるのか?
【第8回】
 まとめと中間試験
【第9回】
 ニーチェ
【第10回】
 サルトル ― 実存主義とは? 「実存」と「本質」の違い
【第11回】
 ハイデガー(1) 世界内存在とは? 人間は世界とどのように関わるのか?
【第12回】
 ハイデガー(2) 死にどのように関わるか? 日常における死へのかかわりと死への本来的な関わり
【第13回】
 メルロ=ポンティ(1) 身体とは? 身体の両義性
【第14回】
 メルロ=ポンティ(2) 身体的実存とは? 身体と世界とのつながり
【第15回】
 まとめと試験