Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SEM-202
人間学基礎セミナー II 宇多 浩
【Ⅱ】  2単位
【Ⅱ 人の心と思想を学ぶ】 18-1-1500-0738-008

1. 授業の概要(ねらい)

 このセミナーでは、人間の存在に関わるさまざまな文献(おもに西洋思想の文献)を読みながら、人間存在のあり方を深く考えることを目標とします。後期は『ソフィーの世界(下)』を使いながら、「人間存在(人間が生きること)とはどのようなことか」という問いについて探求していきたいと思います。
 この授業は講義ではなくセミナーですので、学生の積極的な参加、および主体的な作業が求められます。ほぼ毎回、テキストや指定した文献の内容を授業外の時間でまとめてくる作業が必要になります。また授業の最後には、指定した文献から1冊を選び、レポートを作成・提出することが求められます。
 さまざまな思想家たちの未知の思想に触れることを楽しめる方、そして主体的な活動に参加する意欲のある方の受講を期待しています。

2.
授業の到達目標

 ・人間存在に関わるさまざまな文献を読み、そのエッセンスを自分の言葉でまとめることができる。
 ・人間存在に関わる文献を読み、それを踏まえながら、自分の見解を論理的に論じることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 ・平常点(約50%)、レポート(約50%)
 ・平常点は、ほぼ毎回作成するワークシートの出来によって評価する。
 ・レポートは提示した評価基準に従って厳正に評価する。
 ・セミナーは出席して課題をこなすことが重要ですので、欠席が5回を超えた学生は失格扱いとする。その場合、たとえレポートを提出しても、評価対象外となる。

4.
教科書・参考書

 テキスト:『ソフィーの世界(新装版)(下)』(ヨースタイン・ゴルデル著、NHK出版 2011年)

5.
準備学修の内容

 上記のように、この授業ではほぼ毎回、文献(おもに日本語テキストの抜粋)を読んでまとめることが求められます。作業は授業中に行うこともありますが、基本的には自宅にて行うこととなります。またレポート作成時には、文献を1冊選んで、自分で通読することが必要になります。

6.
その他履修上の注意事項

 特になし

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス、セミナーの進め方について
【第2回】
 ロックとヒューム ― 人間は世界について何を知ることができるのか?
【第3回】
 バークリー ― 「存在するとは知覚されることである」とは、どういうことか?
【第4回】
 カント(1) 人間は世界をどのようにして知ることができるのか?
【第5回】
 カント(2) 人間に自由意志はあるのか?感性界と叡智界
【第6回】
 ダーウィン ― 進化論から見た人間とは?
【第7回】
 フロイト(1) 人間の意識の根底には何があるのか?
【第8回】
 フロイト(2) 『精神分析入門』を読む
【第9回】
 サルトル ― 実存主義とは?「実存」と「本質」の違い
【第10回】
 ハイデガー(1) 世界内在死とは?人間は世界にどのように関わるのか?
【第11回】
 ハイデガー(2) 死にどのように関わるのか?日常における死と本来的な死
【第12回】
 ハイデガー(3) 死に直面した人間の実存的苦悩について考える
【第13回】
 メルロ=ポンティ(1) 身体とは?身体の両義性
【第14回】
 メルロ=ポンティ(2) 身体的実存とは?身体と世界とのつながり
【第15回】
 授業のまとめ、レポート作成の準備